オートファージ（autophagy）

オートファジー（autophagy）とは、細胞が自身の不要な構成要素や損傷したオルガネラ、タンパク質などを分解し、それを再利用する仕組みである。このプロセスは、細胞の自己分解機構ともいわれ、ギリシャ語で「自分を食べる」という意味を持つ言葉に由来する。

オートファジーの仕組み

①細胞質に隔離膜が形成される

②隔離膜は細胞質成分を取り込みながら伸長する

③隔離膜が融合して、オートファゴソームが形成される

④リソソームと融合し、加水分解酵素による内包物が分解される

⑤分解された内包物が再利用される

生理的役割

• エネルギー供給: 飢餓状態において、細胞が内部資源を分解することでエネルギーを確保する。
• 細胞の品質管理: 不要物や損傷した構造を除去することで、細胞の機能を維持する。
• 病気の抑制: 老化やがん、神経変性疾患（アルツハイマー病、パーキンソン病など）に関連する異常タンパク質を除去する。