アルギニン(Arg, R)は、タンパク質を構成するアミノ酸の一つで、化学式は C6H14N4O2 である。
構造と性質
- 構造:
- アルギニンの側鎖には、グアニジノ基(–C(=NH)NH2)が含まれており、これが強い塩基性を示す。
- 生理的条件下では正電荷を持つため、水溶性が高く、タンパク質内での相互作用に寄与する。
- 性質:
生理的役割
- 一酸化窒素(NO)の生成:
- アルギニンは一酸化窒素合成酵素(NOS)の作用を受けて、一酸化窒素(NO)を生成する。NOは血管を拡張し、血流を改善する働きがある。
- アンモニアの解毒:
- アルギニンはオルニチン回路において、尿素の生成に関与し、アンモニアの解毒を手助けする。
- 免疫機能の向上:
- アルギニンはT細胞の活性化に関与し、免疫系を強化する。
- 成長促進:
- 成長ホルモンの分泌を刺激するため、成長や筋肉の修復に重要である。
- 創傷治癒の促進:
- コラーゲン合成を促進し、傷の治癒を早める。
- 精子の形成:
- アルギニンは精液中に多く含まれ、精子の生成や運動性を高める作用がある。
食品と栄養
- アルギニンを多く含む食品:
- 肉類(鶏肉、豚肉、牛肉)
- 魚介類(カツオ、マグロ、エビ)
- ナッツ類(アーモンド、くるみ)
- 大豆製品(豆腐、納豆)
- 種子類(ひまわりの種、ごま)
- 穀物(玄米、オートミール)
- サプリメント:
- アルギニンサプリメントは、運動能力の向上や血流改善、疲労回復を目的として利用されている。





コメント