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アデニン(Adenine)

アデニン(Adenine)は、プリン塩基に分類される有機化合物であり、核酸(DNAやRNA)の基本構成要素の1つである。細胞の遺伝情報の保存やエネルギー代謝において重要な役割を果たす。

1. 基本情報

  • 化学式: C₅H₅N₅
  • 構造:
    アデニンは、2つの環(イミダゾール環とピリミジン環)が融合したプリン骨格を有する。

2. アデニンの生体内での役割

2.1 核酸(DNA・RNA)の構成成分

  • アデニンは、DNAやRNAを構成する塩基。
    • DNAでは、チミン(T)と塩基対を形成(A-T)。
    • RNAでは、ウラシル(U)と塩基対を形成(A-U)。
  • 水素結合によって、他の塩基と結合し、遺伝情報を保持する二重らせん構造を安定化させる。

2.2 エネルギー代謝

  • アデニンはアデノシンの構成要素として、エネルギー伝達に関与します:
    • ATP(アデノシン三リン酸): 細胞のエネルギー供給源。
    • ADP(アデノシン二リン酸): エネルギー貯蔵および供給に関与。
    • AMP(アデノシン一リン酸): エネルギー状態の調節。

2.3 シグナル伝達

  • アデニン由来のcAMP(サイクリックAMP)は、細胞内シグナル伝達のセカンドメッセンジャーとして機能し、ホルモン応答や代謝制御に寄与する。

2.4 補酵素の構成成分

  • アデニンは補酵素の一部を構成している:
    • NAD⁺(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド): 酸化還元反応に関与。
    • FAD(フラビンアデニンジヌクレオチド): エネルギー代謝に重要な補酵素。

3. アデニンの合成

  • アデニンは、デノボ経路(プリン塩基の新生合成経路)で生成される。
  • 合成には、グリシングルタミンアスパラギン酸、二酸化炭素、フォルミル基(THF由来)が関与する。

4. 関連疾患

  • プリン代謝異常: アデニンやプリン代謝の異常は、痛風や腎結石の原因となることがある。

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