アコニチン(Aconitine)は、トリカブト(Aconitum)属の植物に含まれる天然アルカロイドであり、極めて強い毒性を有している化合物である。古くから毒薬として知られ、一部の地域では漢方薬や伝統医学において使用されてきた。
作用機序
- アコニチンは、ナトリウムチャネル(Na+チャネル)に作用し、チャネルの持続的な開口状態を維持する。
- これにより、神経細胞や筋肉細胞において持続的な興奮状態を引き起こす。
- 結果として、神経や心臓の機能に重大な影響を与え、最終的に心停止や呼吸不全を引き起こす可能性がある。
毒性
- 中毒症状:
- 初期症状:口や喉のしびれ、吐き気、嘔吐、腹痛
- 進行症状:四肢のしびれ、筋力低下、頻脈や不整脈、呼吸困難
- 重篤な場合:意識障害、心停止、死に至る
中毒時の対応
- 応急処置:
- 中毒が疑われる場合、直ちに医療機関を受診する。
- 活性炭を用いた吸着や胃洗浄が行われることがある。
- 治療:
- 症状に応じた対症療法(例えば、不整脈や呼吸困難に対する治療)を実施。
- 解毒剤は存在しないため、早期の処置が重要である。




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