第99回薬剤師国家試験」カテゴリーアーカイブ

第99回薬剤師国家試験 問345

次の薬物の適量投与時の対応・処置に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

過量薬物名 対応・処置
炭酸リチウム 排泄を促進するため補液、利尿薬の投与
フェノバルビタール 排泄を促進するため塩化アンモニウムの投与
ジアゼパム 解毒薬としてナロキソン塩酸塩の投与
ヘパリンナトリウム 解毒薬としてプロタミン硫酸塩の投与
カプトプリル 解毒薬として塩化カリウムの投与

 

 

解説
1 正
炭酸リチウムの過量投与時には、リチウムの排泄を促進するために補液、利尿薬(マンニトール、アミノフィリン等)を投与する必要がある。
2 誤
フェノバルビタールの過量投与時には、フェノバルビタールの排泄を促進するために尿をアルカリ性にする炭酸水素ナトリウムを投与する必要がある。フェノバルビタールなどの酸性薬物は、尿のpHが高くなると分子形分率が低下するため、再吸収されにくくなる。
3 誤
ジアゼパムなどのベンゾジアゼピン系薬の過量投与時には、ベンゾジアゼピン受容体拮抗薬であるフルマゼニルを投与する必要がある。なお、ナロキソン塩酸塩は、モルヒネの解毒に用いられる。
4 正
ヘパリンナトリウムの過量投与時には、塩基性薬物であるプロタミン硫酸塩を投与する必要がある。ヘパリンは酸性ムコ多糖であり、塩基性薬物により中和される。
5 誤
カプトプリルの過量投与時には、体液量を増加させ血圧を回復させるために生理食塩水を投与する必要がある。なお、カプトプリルは副作用として高カリウム血症を起こすことがあるため、塩化カリウムを併用すると、高カリウム血症が現れやすくなる。

解答
1、4

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第99回薬剤師国家試験 問344

医療安全確保のため、病院での採用医薬品品目数を増やさない努力をすることが奨励されている。今回、薬事委員会でジフルコルトロン吉草酸エステルクリーム0.1%を採用することになり、同種同効の医薬品を採用品目から削除することとなった。削除対象として適当な薬剤はどれか。1つ選べ。

 ジフェンヒドラミンラウリル硫酸塩軟膏4%
 プレドニゾロンファルネシル酸エステルゲル1.4%
 クロタミトンクリーム10%
 クロトリマゾールクリーム1%
 フルオシノニドクリーム0.05%

 

 

 

解説
医療安全確保のため、病院での採用医薬品品目数を増やさないように、新たな医薬品を採用した場合には同種同効薬を削減することが推奨されている。
採用されることになったジフルコルトロン吉草酸エステルクリーム0.1%はVery storong(とても強い)に分類される副腎ステロイド性薬を含むクリーム剤である。選択肢のうち、同種同効の医薬品はフルオシノニドクリーム0.05%であることから、フルオシノニドクリーム0.05%を削減することが望ましい。

 解答
5

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第99回 問345

第99回薬剤師国家試験 問343

治療薬物モニタリング(TDM)に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

 タクロリムスは、血清試料を用いて測定する。
 アミカシン硫酸塩は、血中濃度を一定に維持する投与方法が望ましい。
 ジゴキシンを測定対象とした時の採血は、定常状態に達した後の追加投与前が望ましい。
 血清バンコマイシン濃度が、ピーク値として60 µg/mL以上の時、有効治療域となる。
 血清リチウム濃度のトラフ値が2.0 mEq/Lを超えたときは、減量・休薬が必要となる。

 

 

 

解説
1 誤
タクロリムスは血球と血漿間の薬物分配が室内温度や放置時間により変動することがあるため、TDMを行う際には、全血試料を用いる。
2 誤
アミカシン硫酸塩は濃度依存型の抗生物質であるため、最高血中濃度を高くすることにより抗菌作用が強くなる。また、アミカシン硫酸塩の最低血中濃度(トラフ値)が一定濃度以上に維持されると、腎障害を起こしやすくなる。このため、アミカシン硫酸塩を投与する際は、以下のことに注意する必要がある。
・最高血中濃度を高くなるようにする。
・トラフ値を一定値以下に下げるようにする。
3 正
ジゴキシンを測定対象とした時の採血は、定常状態に達した後のトラフ値を示す時間(投与前)が望ましい。
4 誤
バンコマイシンの有効治療域は、ピーク値:25〜40 µg/mL、トラフ値:5〜10 µg/mLである。なお、バンコマイシン濃度の副作用発現域は、ピーク値:60 µg/mL以上であることから、血清バンコマイシンの濃度がピーク値として60 µg/mL以上の時、副作用が発現する可能性が高くなる。
5 正
リチウムの有効治療域は、0.4〜1.2 mEq/Lであるため、血清リチウム濃度のトラフ値が2.0 mEq/Lを超えたときは、減量・休薬が必要となる。

 解答
3、5

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第99回 問344

第99回薬剤師国家試験 問342

医薬品による事故を防ぐための記述のうち、適切なのはどれか。2つ選べ。

 散剤秤量時には、散剤調剤鑑査システムを活用する。
 装置びんへの散薬の補充は、2人の薬剤師でダブルチェックを行う。
 薬剤交付時、本人確認は患者の名字で行う。
 注射剤の調製後は、針刺し事故防止のためリキャップする。

 

 

 

解説
1 正
散剤調剤鑑査システムとは、医薬品の容器に付いているバーコードを読み取ることにより、秤取した医薬品や秤取量を記録用紙にプリントアウトできるようにしたものである。医薬品による事故を防止するために、散剤秤量時に散剤調剤鑑査システムを活用することは有用である。
2 正
装置びんへの散薬の補充ミスは、不特定多数の患者への調剤過誤につながるため、特に注意が必要である。医薬品による事故を防止するために、装置びんへの散薬の補充を2人以上の薬剤師で行うことは有用である。
3 誤
患者間違いを防止するために、薬剤交付時に行う本人確認は患者のフルネームを確認することが望ましい。
4 誤
針刺し事故を防止するために、使用後の注射針はリキャップをせず、廃棄することが望ましい。

 解答
1、2

第99回 問342 PDF

第99回 問343

第99回薬剤師国家試験 問341

患者に生じたイベントに伴い予測される主な生体内の反応のうち、不適切なのはどれか。2つ選べ。

イベント 主な生体反応
出血性ショック 体温の上昇
チアノーゼ 酸素飽和度の低下
貧血 爪の変形
β遮断薬の服用 脈拍数の増加
ネフローゼ 尿の泡立ちの増大

 

 

 

解説
1 不適切
出血性ショックでは、体温の低下、発汗、頻脈などが認められる。
2 適切
チアノーゼでは、動脈血酸素飽和度の低下により、皮膚や粘膜の暗紫色変化が認められる。
3 適切
貧血の中でも、鉄欠乏性貧血では全身倦怠感、息切れ、動悸に加え、爪の変形や舌炎、嚥下障害などが認められる。
4 不適切
β遮断薬の服用により、脈拍数の低下や気管支平滑筋収縮作用に伴う呼吸困難などが認められる。
5 適切
ネフローゼでは、尿中のタンパク質の増加に伴い、尿の泡立ちの増大が認められる。

 解答
1、4

第99回 問341 PDF

第99回 問342

第99回薬剤師国家試験 問340

本日(平成26年3月2日)、厚生太郎さんが保険薬局に下記の処方せんを持参し、薬の交付を求めた。薬剤師が確認したところ、不備があるため、調剤できないと判断した。その理由はどれか。2つ選べ。なお、押印は朱色である。

 処方せんの使用期限欄の記載がない。
 処方せんの使用期限が過ぎている。
 「以下余白」の記載がない。
 用法の記載に不備がある。
5 変更不可欄に医師の署名がない。

 

 

 

解説
1 誤
処方せんに「特に記載がある場合を除き、交付の日を含めて4日以内に保険薬局に提出すること」と記載されているため、処方せんの使用期限欄の記載がないことは問題ない。
2 誤
本処方せんの交付の日は、平成26年2月27日であり、平成26年3月2日以内(交付日を含めて4日以内)に保険薬局に提出すればよいため、処方せんの使用期限を過ぎていない。
3 正
処方欄の余白には、偽造処方せん作成を防止するため、「以下余白」や「斜線」により余白である旨を表示する必要がある。本処方せんには「以下余白」の記載がないため、不備がある。
4 正
処方2の用法が記載されていないため、本処方せんの用法の記載に不備がある。
5 誤
後発医薬品へ変更してもよい場合、医師は変更不可欄に署名又は記名押印はしないため、変更不可欄に医師の署名がないことは問題ない。

 解答
3、4

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第99回 問341

第99回薬剤師国家試験 問339

女性患者から、現在の肥満の程度を教えて欲しいと尋ねられた。この患者の身長は150 cm、体重は75 kgである。現在の体重は標準体重の何倍か。最も近い値を1つ選べ。ただし、標準体重はBMI法で求めることとする。

 1.2
 1.3
 1.4
 1.5
 1.6

 

 

 

解説
BMIは、下記の式で算出することができる。
BMI=体重(kg)÷[身長(m)]2
BMIの標準値は22、この患者の身長は150 cm=1.5 mであることから、BMI法により標準体重(kg)を以下のように求めることができる。
22=標準体重÷(1.5)2
標準体重=49.5(kg)
この患者の体重は75 kgであることから、現在の体重は標準体重の1.5倍(75÷49.5≒1.5)となる。

解答
4

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第99回 問340

第99回薬剤師国家試験 問338

27歳男性。体重60 kg。7月中旬に開催されたマラソン大会に参加中、意識がもうろうとなり、救急搬送された。緊急検査の結果、心電図に異常はなかった。血清ナトリウム値は110 mEq/L、血清カリウム値は4.0 mEq/Lであった。低ナトリウム血症治療のために3%塩化ナトリウム液の調製依頼があったので、生理食塩液500 mLに10%塩化ナトリウム注射液を加えて調製した。10%塩化ナトリウム注射液の添加量として最も近い値(mL)はどれか。1つ選べ。

 50
 80
 100
 120
 150

 

 

 

解説
本設問の内容より、生理食塩液500 mLに10%塩化ナトリウム注射液を加えて、3%塩化ナトリウム液を調製する。その際、必要な10%塩化ナトリウム注射液の添加量をX mLとする。
<それぞれの液体に含まれている塩化ナトリウムの量を求める>
・生理食塩液500 mL:500 mL×(0.9 g/100 mL)=4.5 g(A)
・10%塩化ナトリウム注射液:X mL×(10 g/ 100 mL)=0.1 X g(B)
・調製後の3%塩化ナトリウム液:(500+X)×(3 g/100 mL)=15+0.03 X g(C)
<10%塩化ナトリウム注射液の添加量を求める>
A及びBの和とCは等しいことから10%塩化ナトリウム注射液の添加量(X mL)を以下のように計算することができる。
4.5+0.1 X=15+0.03 X
0.07 X=10.5
X=150

解答
5

第99回 問338 PDF

第99回 問339

第99回薬剤師国家試験 問337

10歳女児。2日前から発熱(体温38.5℃)が続き、下痢および嘔吐のため小児科を受診した。血圧低下、頻脈などの所見はみられなかった。この患児に輸液剤を投与する場合、細胞外液と細胞内液の両方の補給が可能な開始液(1号液)の組成として最も適切なのはどれか。1つ選べ。

Na(mEq/L) K(mEq/L) Cl(mEq/L) 乳酸(mEq/L) ブドウ糖(%)
154 0 154 0 0
90 0 70 20 2.6
35 20 35 20 4.3
30 0 20 10 4.3
0 0 0 0 5.0

 

 

 

解説
1 誤
Na、Clを共に154(mEq/L)含有していることから生理食塩液である。
2 正
Kを含まず、Na、Clを生理食塩水の1/2〜2/3程度含有していることから開始液(1号液)である。
3 誤
Kを含み、Na、Clを生理食塩水の1/4程度含有していることから維持液(3号液)である。
4 誤
Kを含まず、Na、Clを生理食塩水の1/5程度含有していることから術後回復液(4号液)である。
5 誤
ブドウ糖を5%含有していることから、5%ブドウ糖注射液である。

解答
2

第99回 問337 PDF

第99回 問338

第99回薬剤師国家試験 問336

医薬品安全性情報報告に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

 化粧品が原因と疑われる健康被害も報告対象となる。
 患者名はフルネームで記入する。
 報告された情報は、公開されることはない。
 因果関係が明確でない場合でも報告対象となる。
5 独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)に直接提出する。

 

 

 

解説
医薬品安全性情報報告とは、医薬品又は医療機器(化粧品や医薬部外品を含む)の使用によって発生する健康被害等の情報を、医薬関係者等が厚生労働大臣に報告する制度である。
1 正
医薬品安全性情報報告とは、医薬品(医療用医薬品、一般用医薬品)、化粧品、医薬部外品により発生する健康被害が報告対象となる。
2 誤
報告書には患者のプライバシーを保護するため、患者名をフルネームで記入せず、イニシャルで記入する。
3 誤
報告された情報は、施設名及び患者のプライバシー等に関する部分を除き、安全対策の一環として広く公表されることがある。
4 正
医薬関係者が保健衛生上の危害発生の防止等のために必要があると認めた健康被害を報告するため、因果関係が明確でない場合でも報告対象となる。
5 誤
前記参照

解答
1、4

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第99回 問337