第104回薬剤師国家試験」カテゴリーアーカイブ

第104回薬剤師国歌試験 問118

A〜Eの構造をもつビタミンに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

1 Aは、ピルビン酸脱水素酵素や α–ケトグルタル酸脱水素酵素の補酵素としてエネルギー産生に関与する。
2 Bは、ビタミンB12 によるメチル基転移を介して、ホモシステインからのメチオニンの生合成に関与する。
3 Cは、プロリンやリシンの水酸化酵素の補酵素としてコラーゲン合成に関与する。
4 Dは、血液凝固因子プロトロンビンのグルタミン酸残基のγ–グルタミル化に関与する。
5 Eは、光を感知するロドプシンの成分として視覚機能に関与する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


解説
1 誤
A(ピリドキサール)は、生体内でピリドキサールリン酸となり、アミノ酸デカルボキシラーゼやアミノトランスフェラーゼなどの補酵素としてアミノ酸代謝に関与する。
2 正
B(葉酸)は、生体内でテトラヒドロ葉酸となり、ビタミンB12 によるメチル基転移を介して、ホモシステインからのメチオニンの生合成に関与する。
3 正
C(アスコルビン酸)は、プロリンやリシンの水酸化酵素の補酵素としてコラーゲン合成に関与する。
4 誤
D(レチノール)は、生体内で11−cis−レチナールとなり、オプシンと結合することでロドプシンを形成し、視覚機能に関与する。
5 誤
E(メナキノン)は、γ−グルタミルカルボキシラーゼの補酵素として血液凝固因子プロトロンビンのグルタミン酸残基のγ–カルボキシ化に関与する。


解答
2、3

第104回薬剤師国歌試験 問133

ウィンクラー法による水中の溶存酸素量(DO)の測定法の概略を以下にまとめた。
【操作A】試料水で充満させた測定瓶にMnSO4溶液1mL及びアルカリ性ヨウ化カリウム(KI)・アジ化ナトリウム溶液1mLを加え、栓をした後、転倒混和し、静置する。
【操作B】濃硫酸1mLを、沈殿を巻き上げないように測定瓶に加え、直ちに栓をして転倒混和する。
【操作C】測定瓶から試料水の一定量を分取し、生じたヨウ素の量をデンプン試薬を用いてチオ硫酸ナトリウム溶液で滴定する。

1 操作Aでアジ化ナトリウムを加えるのは、試料水中の亜硝酸イオンと溶存酸素との反応を促進させるためである。
2 操作Aによって生じた沈殿は、亜マンガン酸である。
3 操作Aを行った後、上清中のDOは、この操作の原理上、ゼロとなる。
4 操作Bにより沈殿が消失し、溶液が黄色になるのは、硫酸酸性下でKIが還元されるためである。
5 操作Cにおける滴定の終末点の前後で溶液の色は無色から青色へ変化する。

 

 

 

 

 

 


解説
溶存酸素(DO)の測定法であるウインクラー法の流れを以下に示す。
①:アルカリ性条件下、硫酸マンガンMnSO4が反応し、水酸化マンガンMn(OH)2を生じる。
②:水酸化マンガンMn(OH)2が溶存酸素(DO)と反応して、亜マンガン酸H2MnO3(褐色沈殿)となり、酸素が固定される(上清中のDOが原理上、ゼロとなる)。
③:硫酸酸性条件下、亜マンガン酸H2MnO3とヨウ化カリウムKIが反応し、ヨウ素I2を遊離する。
④:遊離したヨウ素I2をチオ硫酸ナトリウム(Na2S2O3)で滴定する。

1 誤
操作Aでアジ化ナトリウムを加えるのは、試料水中の亜硝酸イオンが溶存酸素を消費するのを防止するためである。
2 正
3 正
4 誤
操作Bにより沈殿が消失し、溶液が黄色になるのは、硫酸酸性下でKIが酸化されるためである。
5 誤
操作Cにおける滴定の終末点の前後で溶液の色は青紫色から無色へ変化する。


解答
2、3

第104回薬剤師国家試験 問115

遺伝子Xの転写は薬物ア及びイにより促進される。両薬物による遺伝子Xの転写促進に関わるプロモーター領域中のDNA部位を同定するために、レポーター遺伝子を用いたプロモーター解析実験を行った。以下に実験方法の概要を記す。

実験方法の概要
図1に示したように、遺伝子Xの転写開始点から200 bp上流(-200 bp)までのDNAを合成し、それをレポーター遺伝子に連結して発現ベクターを作製した(A)。また、Aより上流域が短い4種類のDNAを合成して、同様にベクター作製した(B〜E)。次に、A〜Eの組換えDNAを導入した哺乳動物由来細胞を作製した。これらの細胞において薬物ア又はイで処理した際のレポーター遺伝子産物を測定し、図2の結果を得た。レポーター遺伝子のみを持つベクターを導入した細胞では、薬物処理の有無に関わらずレポーター遺伝子産物は発現されなかった。なお、細胞へのDNA導入効率は等しく、細胞培養条件やレポーター遺伝子産物などが転写活性に影響を及ぼさないことを確認している。

哺乳動物由来細胞における転写調節とプロモーター解析実験の方法及び考察に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。

1 RNAポリメラーゼは、転写因子を介してプロモーターに結合する。
2 レポーター遺伝子として、ホタル由来のルシフェラーゼ遺伝子が用いられることがある。
3 転写開始点から80 bp上流〜40 bp上流のDNA配列は、薬物アによるレポーター遺伝子産物の発現増加に関与していると考察される。
4 転写開始点から120 bp上流〜80 bp上流のDNA配列は、薬物イによるレポーター遺伝子産物の発現増加に関与していると考察される。
5 転写開始点から40 bp上流までのDNA配列は、薬物ア及びイのいずれにも依存しない恒常的なレポーター遺伝子産物の発現に関与していると考察される。

 

 

 

 

 

 

 

 


解説
1 正しい
哺乳動物由来の細胞は真核細胞である。真核細胞のRNAポリメラーゼ(Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ)は、直接プロモーターを認識することができないため、プロモーターと結合する際に基本転写因子を必要とする。
2 正しい
レポーター遺伝子には、ルシフェラーゼ(生物発光に関わる物質が発光する反応を触媒する酵素の総称)遺伝子 が利用される。
3 正しい
A、B、C、Dを導入した細胞では、未処理の場合に比べ、薬物アで処理した場合のレポーター遺伝子産物の相対的発現量が多いが、Eを導入した細胞では、未処理の場合と薬物アで処理した場合のレポーター遺伝子産物の相対的発現量にほとんど差がないことから、転写開始点から80 bp上流〜40 bp上流のDNA配列は、薬物アによるレポーター遺伝子産物の発現増加に関与していると考察される。
4 誤っている
A、Bを導入した細胞では、未処理の場合に比べ、薬物イで処理した場合のレポーター遺伝子産物の相対的発現量が多いが、C、D、Eを導入した細胞では、未処理の場合と薬物イで処理した場合のレポーター遺伝子産物の相対的発現量にほとんど差がないことから、転写開始点から160 bp上流〜120 bp上流のDNA配列は、薬物イによるレポーター遺伝子産物の発現増加に関与していると考察される。
5 正しい
Eを導入した細胞では未処理、薬物アで処理、薬物イで処理した場合のレポーター遺伝子産物の相対的発現量にほとんど差がないことから、転写開始点から40 bp上流までのDNA配列は、薬物ア及びイのいずれにも依存しない恒常的なレポーター遺伝子産物の発現に関与していると考察される。


解答
4

第104回薬剤師国家試験 問105

以下に示す反応において、出発物質であるアミンと生成物との組合せとして正しいのはどれか。2つ選べ。

解説
1 誤
脂肪族第一級アミンに亜硝酸および塩酸を加えると、不安定なジアゾニウム塩を生成後、アルコールを生じる。

2 正
脂肪族第二級アミンに亜硝酸および塩酸を加えると、N−ニトロソ化合物が生成する。
3 誤
芳香族第一級アミンに亜硝酸および塩酸を加えると、芳香族ジアゾニウム塩が生成する。

4 誤
芳香族第二級アミンに亜硝酸および塩酸を加えると、N−ニトロソ化合物が生成する。
5 正
芳香族第三級アミンに亜硝酸および塩酸を加えると、C−ニトロソ化合物が生成する。


解答
2、5

相平衡と相律

相平衡

系には、気相のみ、液相のみ、固相のみのように単一の相からなる均一系と、気相と液相の共存のように複数の系から成る不均一系がある。不均一系をなす複数の相の間に、物質の交換がありながら各相の量や組成が時間的に変化しないとき、それらの相は平衡にあるといい、一般に二つ以上の相の間の平衡を相平衡という。


 相律

 均一系及び不均一系において平衡が成立している場合には、相の数と状態を決める変数の間に次式の関係(相律)が成立する。

F=C-P+2

F:自由度、C:系の独立成分の数、P:相の数

自由度とは、その系の状態を指定するために必要な独立に決定できる示強性状態変数(温度、圧力、組成)の数を意味している。

<水の状態図における自由度>

<相の数が1(固体のみ、液体のみ、気体のみ)の場合>
水については、成分が水のみであることから、C=1となり、相の数が1の場合においては、自由度が2となる(F=C-P+2=1-1+2=2)。
このことから、相の数が1の場合、圧力及び温度を人為的に決定することが可能である。
<相の数が2(2相が平衡状態)の場合>
水については、成分が水のみであることから、C=1となり、相の数が2の場合においては、自由度が1となる(F=C-P+2=1-2+2=1)。
このことから、相の数が2の場合、圧力または温度を人為的に決定することが可能である。
<相の数が3(3相が平衡状態:三重点)の場合>
水については、成分が水のみであることから、C=1となり、相の数が3の場合においては、自由度が0となる(F=C-P+2=1-3+2=0)。
このことから、相の数が3の場合、圧力及び温度を人為的に決定することはできない。


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第104回薬剤師国家試験 問132

残留塩素による大腸菌の99%不活性化に要する濃度と作用時間の関係を図に示した。水の塩素処理及び図に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

1 次亜塩素酸(HClO)は、次亜塩素酸イオン(ClO)と比較すると、同濃度あるいは同作用時間では、大腸菌の99%不活性化の効果が高い。
2 ClOは、水道水質基準を満たしていれば、大腸菌を10分以内に99%不活性化することができる。
3 モノクロラミン(NH2Cl)は、水道水の水質管理目標値(残留塩素1 mg/L以下)において大腸菌を10分以内に99%不活性化することができる。
4 3種の残留塩素を比較した場合、有効塩素濃度(C)と99%不活性化に要する作用時間(T)の積(CT値)が大きいほど大腸菌に対する消毒効果が高い。
5 HClO、ClO及びNH2Clは、いずれも水泳プールに係る学校環境衛生基準において、水道水質基準と同様の基準値が定められている。

 

 

 

 

 

 

 

解説
1 正
次亜塩素酸(HClO)は、次亜塩素酸イオン(ClO)に比べ、どの濃度においても大腸菌の99%不活化するまでの時間が短いこと、どの作用時間においても不活化に要する濃度が低いことから、 次亜塩素酸(HClO)は、次亜塩素酸イオン(ClO)と比較すると、同濃度あるいは同作用時間では、大腸菌の99%不活性化の効果が高い。
2 正
ClOの水道水質基準は、0.1 mg/L以上である。設問のグラフより、ClOの濃度が0.1 mg/L以上において、大腸菌の99%不活化するまでの時間が10分以内であると読み取ることができる。
3 誤
設問のグラフより、モノクロラミン(NH2Cl)の濃度が1 mg/L以下では、大腸菌を10分以内に99%不活性化することができないと読み取ることができる。
4 誤
有効塩素濃度(C)が小さいほど、また不活化に要する時間(T)が短いほど大腸菌に対する消毒効果が高いため、CT値が小さいほど大腸菌に対する消毒効果が高い。
5 誤
HClO、ClO及びNH2Clは、いずれも水泳プールに係る学校環境衛生基準において、水道水質基準と異なる基準値が定められている。


解答
1、2

第104回薬剤師国家試験 問131

電離放射線の被ばくに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

1 胸部X線撮影や胃のバリウム検査による被ばくは、内部被ばくである。
2 神経組織の放射線感受性は、造血組織に比べて低い。
3 食品中に含まれる40Kは、天然放射性核種である。
4 脱毛や白内障は、しきい線量を超える放射線に被ばくした際に生じるので、確率的影響と呼ばれる。
5 白血病やがんは、微量な放射線に被ばくした場合でも発生する可能性があるので、確定的影響と呼ばれる。

 

 

 

 

 


解説
1 誤
胸部X線撮影や胃のバリウム検査では、体外からX線を照射するため、胸部X線撮影や胃のバリウム検査による被ばくは、外部被ばくである。
2 正
放射線対する感受性は、①:細胞分裂の頻度が高い組織ほど感受性が高い。②:未分化な細胞ほど感受性が高い(ベルゴニー・トリボンドーの法則)とされている。ベルゴニー・トリボンドーの法則より、神経組織の放射線感受性は、造血組織に比べて低い。
3 正
40Kは天然に最も多く存在する放射線核種であり、食品中にも含まれている。
4 誤
脱毛や白内障は、しきい線量を越える放射線に被ばくした際に生じるので、確定的影響と呼ばれる。
5 誤
白血病やがんは、微量な放射線に被ばくした場合でも発生する可能性があるので、確率的影響と呼ばれる。


解答
2、3

第104回薬剤師国家試験 問130

アルコールの中毒と代謝に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。

1 エタノールの代謝によって生じるアセトアルデヒドにより、頭痛や悪心、嘔吐などが引き起こされる。
2 欧米人に比べて、日本人ではアルデヒド脱水素酵素(ALDH)の活性が低い人の割合が高い。
3 アルコール依存症の患者は、ウェルニッケ脳症などのビタミンB1欠乏症を起こすことがある。
4 メタノールの眼毒性は、メタノールがギ酸に代謝されることによって低減される。
5 メタノール中毒患者の治療にエタノールが用いられることがある。

 

 

 

 

 

 

 


解説
1 正しい
エタノールの代謝によって生じるアセトアルデヒドが、頭痛や悪心、嘔吐を引き起こすことがある。
2 正しい
日本人などのモンゴロイド系の人々は、欧米人に比べて、アルデヒド脱水素酵素(ALDH)の活性が低いとされている。
3 正しい
アルコール依存症患者は、食事をおろそかにし、アルコールばかりを摂取するため、栄養失調によるウェルニッケ脳症(症状:意識障害、眼球運動の異常、運動失調)などのビタミンB1欠乏症を起こしやすい。
4 誤っている
メタノールの眼毒性は、メタノールがギ酸に代謝されることにより誘発されるため、メタノールがギ酸に代謝されてもメタノールの眼毒性は低減されない。
5 正しい
第97回薬剤師国家試験 問135参照


解答
4

第104回薬剤師国家試験 問129

化学物質の毒性試験に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

1 単回投与毒性試験の目的の1つは、許容一日摂取量(ADI)を決定することである。
2 単回投与毒性試験は、食品添加物の申請に要求される。
3 反復投与毒性試験の目的の1つは、無毒性量(NOAEL)あるいは最小毒性量(LOAEL)を決定することである。
4 遺伝毒性試験には、DNA損傷を検出する試験法と、染色体異常や遺伝子突然変異を検出する試験法がある。
5 催奇形性試験は、動物愛護の観点から、げっ歯類のみで行うことが推奨されている。

 

 

 

 

 


解説
1 誤
許容一日摂取量(ADI)は、反復投与毒性試験により得られたNOAELをもとに算出する。
2 誤
食品添加物の申請に要求される試験として、反復投与毒性試験、催奇形性試験、発がん性試験、変異原性試験などがあるが、単回投与毒性試験は、食品添加物の申請に要求されない。
3 正
反復投与毒性試験により、生体に有害な反応を起こさない最大量(NOAEL)及び動物実験で有害作用が認められた最小用量(LOAEL)を決定することができる。
4 正
遺伝毒性試験には、DNA損傷を検出する試験法(コメット試験、不定期DNA合成試験など)、染色体異常を検出する試験法(小核試験、染色体異常試験など)、遺伝子の突然変異を検出する試験法(復帰突然変異試験、マウスリンフォーマTK試験など)がある。
5 誤
催奇形性試験は、ネズミやマウスなどのげっ歯類以外にもうさぎなどで行われている。


解答
3、4

第104回薬剤師国家試験 問128

シトクロムP450による薬物代謝に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

1 補欠分子としてFADが必要である。
2 薬物代謝に利用される電子は、NADPHからNADPH–オキシダーゼを介して供給される。
3 シトクロムP450に結合した酸素分子は、還元的に活性化され、基質の酸化に利用される。
4 還元反応を触媒することがある。
5 還元型が酸素分子と結合すると450nmに吸収極大を示す。

 

 

 

 

 


解説
1 誤
シトクロムP450が生理活性を示すためには、補欠分子(タンパク質の生理活性において重要なタンパク質に結合する非タンパク質)としてヘムが必要である。
2 誤
薬物代謝に利用される電子は、NADPHからNADPH–レダクターゼを介して供給される。
3 正
シトクロムP450に酸素分子が結合し、その後、電子が導入され、酸素分子が還元的活性化されることにより基質が酸化される。
4 正
嫌気的条件下において、シトクロムP450は還元反応を触媒することがある。
5 誤
シトクロムP450の還元型が一酸化炭素と結合すると、450nmに吸収極大を示す。


解答
3、4