第101回薬剤師国家試験」カテゴリーアーカイブ

第101回薬剤師国家試験 問345

52歳男性。身長170 cm。血液検査の結果、血清ナトリウム濃度が147 mEq/Lであり、高張性脱水と診断され、輸液により水分を補給することになった。この男性の水分欠乏量を血清ナトリウム濃度から算出した場合、最も近い値はどれか。1つ選べ。
ただし、この男性の健常時の体重は70 kg、血清ナトリウム濃度の目標値を140 mEq/L、体水分量を体重の60%とする。

 1.0 L
 1.5 L
 2.0 L
 2.5 L
 3.0 L

 

 

 

解説
高張性脱水(体内の水分が不足し、電解質濃度が高い状態)を治療するに当たっては、不足した水分を補う必要がある。
血清ナトリウム濃度より水分欠乏量を以下のように求めることができる。
147 mEq/L×この男性の脱水状態の体液量=140 mEq/L×この男性の健常児の体液量
147 mEq/L×この男性の脱水状態の体液量=140 mEq/L×42 L
この男性の脱水状態の体液量=42 L×140/147≒40 L
この男性の水分欠乏量=42 L-40 L=2.0 L

解答
3

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第101回薬剤師国家試験 問344

7歳女児。近医の皮膚科にてアトピー性皮膚炎と診断され、母親が以下の処方箋を保険薬局に持参した。

(処方1)
タクロリムス軟膏0.03%小児用 20 g
1回適量 1日2回(朝就寝前)顔、頸部に塗布 
(処方2)
ベタメタゾン吉草酸エステルクリーム0.12% 20 g
1回適量 1日2回(朝就寝前)体幹、腕に塗布
(処方3)
ヘパリン類似物質クリーム0.3% 100 g
1回適量 1日2回(朝就寝前)顔、頸部、体幹、腕に塗布
(処方4)
フェキソフェナジン塩酸塩錠30 mg 1回1錠(1日2錠)
1日2回 朝食後就寝前 14日分

薬剤師が母親に服薬指導する内容として、適切でないのはどれか。1つ選べ。

 タクロリムス軟膏は、傷やただれているところに使用して下さい。
 ベタメタゾン吉草酸エステルクリームは、症状が改善されても自己判断で中止しないで下さい。
 ヘパリン類似物質クリームは、皮膚の保湿効果があります。
 ヘパリン類似物質クリームは、傷やただれがあるところに塗らないで下さい。
 フェキソフェナジン塩酸塩は、眠気を起こしにくい薬です。

 

 

 

解説
1 適切でない
タクロリムス軟膏を傷やただれているところに使用すると、吸収が促進され、血中濃度が上昇し、副作用である腎障害が発現する可能性がある。そのため、タクロリムス軟膏を使用する場合には、あらかじめ傷口の処置を行い、傷やただれの改善を確認した後に、本剤の使用を開始する。
2 適切である
ベタメタゾン吉草酸エステルは副腎皮質ステロイド性薬である。ベタメタゾン吉草酸エステルクリームを急に中止すると、ステロイド離脱症候群(低血圧、低血糖、低ナトリウム血症、高カリウム血症など)が現れることがある。
3 適切である
ヘパリン類似物質クリームは、角質水分保持増強作用を示すため、皮膚の保湿効果を有する。
4 適切である
ヘパリン類似物質クリームを使用する際、傷やただれを避けて使用する必要がある。
5 適切である
フェキソフェナジン塩酸塩は、第二世代抗ヒスタミン薬であり、脳内移行性が低く、眠気を誘発しにくい。

解答
1

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第101回 問345

第101回薬剤師国家試験 問343

62歳男性。頭痛、のどの痛み、痰の絡む咳、鼻水に加え鼻閉症状を訴えて来局した。男性に質問したところ、仕事で車を運転していること、毎日晩酌し、1日20本の喫煙をしていることがわかった。現在、服用している薬はない。そこで、下記の成分が含まれる一般用医薬品を提案した。

販売時に薬剤師が情報提供・指導する内容として適切でないのはどれか。2つ選べ。

 低血糖を起こすことがありますので注意してください。
 薬を飲む前後はお酒を飲まないでください。
 眠くなる成分は入っていませんので、服用後の車の運転は大丈夫です。
 便秘をすることがありますので注意してください。
 のどが渇くことがあるので、適宜水分を補給してください。

 

 

 

解説
1 適切でない
総合感冒薬Aには、低血糖を誘発するような成分は含まれていない。
2 適切である
アルコールによりd-クロルフェニラミンマレイン酸塩及びジヒドロコデインリン酸塩の中枢抑制作用が増強するため、服用中は飲酒を控える必要がある。
3 適切でない
d-クロルフェニラミンマレイン酸塩及びジヒドロコデインリン酸塩は、中枢抑制作用を有するため、服用中に眠気を誘発することがある。
4 適切である
ジヒドロコデインリン酸塩は、腸管運動を抑制するため、副作用として便秘が現れることがある。
5 適切である
d-クロルフェニラミンマレイン酸塩、抗コリン作用を有するため、副作用として口渇が現れることがある。

解答
1、3

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第101回 問344

第101回薬剤師国家試験 問342

50歳女性。関節リウマチの診断を受け、生物学的製剤の導入目的で入院した。入院前よりメトトレキサート、ジクロフェナクナトリウムを服用している。入院2日目の朝、薬剤師が病棟へ行くと、「吐き気が4、5日前からあり、食欲もない。」と訴えがあった。さらに薬剤師が尋ねると、下痢はしていないが便は黒っぽい、胸や肩、頭の痛みはないということであった。

入院時検査データ
血圧96/74 mmHg、脈拍95回/分
白血球3700/µL、赤血球220万/µL、血小板15万/µL
ヘモグロビン10.2 g/dL、ヘマトクリット24.1%

その他の所見
発熱(-)、粘膜乾燥気味、眼瞼結膜は蒼白

薬剤師は副作用を疑い、直ちに担当医師に報告した。考えられる副作用として最も可能性が高いのはどれか。1つ選べ。

 髄膜炎
 再生不良性貧血
 消化性潰瘍
 偽膜性大腸炎
 血小板減少症

 

 

 

解説
本患者は、ジクロフェナクナトリウムを服用していることに加え、自覚症状として「吐き気」があり、便が黒っぽいことからジクロフェナクナトリウムの副作用である消化性潰瘍を発症している可能性がある。
他の選択肢の初期症状を以下に示す。
髄膜炎:発熱、頭痛、悪心、嘔吐など
再生不良性貧血:貧血症状、発熱、紫斑、出血など
偽膜性大腸炎:激しい腹痛、下痢、発熱など
血小板減少症:紫斑、出血など

解答
3

第101回 問342 PDF

第101回 問343

第101回薬剤師国家試験 問341

8歳男児。ぜん息でかかりつけ医に以下の処方を出してもらっている。

(処方1)
スプラタストトシル酸塩シロップ用5% 1回1.5 g(1日3 g)
1日2回 朝夕食後 30日分
(処方2)
ツロブテロールテープ1 mg 1回1枚
1日1回 就寝前 胸部に貼付 30日分(全30枚)
(処方3)
フルチカゾンプロピオン酸エステルドライパウダーインヘラー50 µg 60吸入  1本
1回1吸入 1日2回 朝夕吸入

しかし、発作が頻発し症状が重篤化したため救急車で病院に搬送された。かかりつけ医が処方した薬のアドヒアランスを確認したところ、しっかり服用できていた。

発作時の薬物療法として、適切でないのはどれか。1つ選べ。

 アミノフィリンの点滴
 ヒドロコルチゾンコハク酸エステルナトリウムの点滴
 クロモグリク酸ナトリウムの吸入
 プロカテロール塩酸塩水和物の吸入
 サルブタモール硫酸塩の吸入

 

 

 

解説
気管支ぜん息治療薬には、発作治療薬(リリーバー)と長期管理薬(コントローラー)がある。
・発作治療薬(リリーバー)として用いられるもの
アミノフィリンの点滴(選択肢1)
ヒドロコルチゾンコハク酸エステルナトリウムの点滴(選択肢2)
プロカテロール塩酸塩水和物の吸入(選択肢4)
サルブタモール硫酸塩の吸入(選択肢5)
・長期管理薬(コントローラー)として用いられるもの
クロモグリク酸ナトリウムの吸入(選択肢3)

解答
3

第101回 問341 PDF

第101回 問342

第101回薬剤師国家試験 問340

医薬品情報に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

 二重盲検比較試験は、メタアナリシスよりもエビデンスレベルが高い。
 医療用医薬品の添付文書は、医薬品医療機器等法によりその記載内容が規定された公的文書である。
 能動的情報提供とは、医療従事者や患者などからの質問に対して情報提供を行うことである。
 二次資料は、新しい知見の報告を主体とし原著記事を収載した資料である。
 緊急安全性情報は、緊急に安全対策上の措置を講じる必要がある場合に、医薬品の製造販売業者等が作成する。

 

 

 

解説
1 誤
メタアナリシスとは、独立して行われた複数の臨床研究のデータを収集し、統合的に総合評価する統計解析法のことであり、最もエビデンスレベル(信頼性)の高い研究方法である。
2 正
医療用医薬品添付文書の記載事項については、医薬品医療機器等法により規定されている。医療用医薬品添付文書は、各種医薬品情報の中で唯一法的根拠をもつ。
3 誤
医療従事者や患者などからの質問に対して情報提供を行うことは、受動的情報提供に該当する。なお、能動的情報提供とは、不特定多数の医療従事者や患者に積極的に情報提供を行うことである。
4 誤
新しい知見の報告を主体とし原著記事を収載した資料は一次資料である。なお、二次資料とは、一次資料の内容を要約したものや一次資料の検索を容易にしたものである。
5 正
緊急安全性情報は、緊急に安全対策上の措置を講じる必要がある場合に厚生労働省の指示を受けた日から1ヶ月以内に製造販売業者が作成する資料であり、イエローペーパーともよばれる。

解答
2、5

第101回 問340 PDF

第101回 問341

第101回薬剤師国家試験 問339

病院における医薬品採用に関する記述として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。

 医療用医薬品製品情報概要が、医薬品の情報源として最も重視される。
 新しい作用機序をもつ医薬品は、医師の申請通りに採用する。
 後発医薬品は主成分が同じなので、購入価格のみを考慮して採用を決定する。
 薬事委員会などを設置し、採否について審議する。
 新規医薬品採用時の安全性評価において、海外の臨床試験データは参考にしない。

 

 

 

解説
1 誤
医薬品を採用する際、医薬品の情報源として最も重視されるのは、医療用添付文書及びインタビューフォームである。なお、医療用医薬品製品情報概要は、医薬品の普及並びに適正使用を推進するために製薬企業が当該医薬品の概略を記載した試料であり、医療用添付文書やインタビューフォームに比べ信頼性は低い。
2 誤
医薬品を採用する際は、薬事委員会で審議した上で採用の可否を決定する。
3 誤
後発医薬品と先発医薬品は、主成分は同じであるが、剤形や添加物、適応症などが異なることがあるため、購入価格のみ考慮して採用を決定するのではなく、剤形や添加物、適応症なども考慮して採用を決定する必要がある。
4 正
解説2参照
5 誤
新規医薬品採用時の安全性評価において、海外の臨床データがある場合には、海外の臨床データについても参考にする。

解答
4

第101回 問339 PDF

第101回 問340

第101回薬剤師国家試験 問338

54歳男性。腎細胞がん治療の内服薬導入のため入院し、1週間で退院することとなった。退院時に手足症候群への対応を含む以下の処方箋が交付され、近所の薬局に持参した。

(処方1)
ソラフェニブトシル酸塩錠200 mg 1回2錠(1日4錠)
1日2回 朝夕食後 14日分
(処方2)
白色ワセリン 100 g
1回適量 1日4回 手、足に塗布

この患者への服薬指導として適切でないのはどれか。2つ選べ。

 熱い風呂は、控えましょう。
 直射日光に当たらないようにしましょう。
 手足に痛みが現れたら、薬の使用を中止してください。
 白色ワセリンは副作用の予防になるので毎日使いましょう。
 足に密着したきつめの靴下を履きましょう。

 

 

 

解説
手足症候群とは、抗悪性腫瘍薬(特にフルオロウラシル、ドセタキセル水和物、カペシタビン、ソラフェニブトシル酸塩、スニチニブリンゴ酸塩など)の使用により手や足の皮膚細胞が障害されることにより起こる副作用である。手足症候群の予防法とその具体例を以下に示す。
<手足症候群の予防法とその具体例>
①物理的刺激を避ける
締め付けの強い靴下を着用しない。足に合った靴下を着用する。長時間の歩行を避ける。洗剤類にじかに触れないようにする。
②熱刺激を避ける
熱い風呂やシャワーを避ける。
③皮膚の保護
保湿剤(ヘパリン類似物質含有軟膏、白色ワセリンなど)を塗布する。厚めの靴下を履く。
④2次感染を予防する
清潔をこころがける。
⑤直射日光を避ける
外出時には日傘、帽子、手袋を使用する。

1 適切
2 適切
3 不適切
ソラフェニブトシル酸塩服用中に手足に痛みが現れた場合には、副作用である手足症候群が発症した可能性がある。そのような場合は、ソラフェニブの服用を継続するか、中止するかは症状によって異なるため、薬の服用を勝手に中止せず、医師または薬剤師に相談するように説明する。
4 適切
5 不適切

解答
3、5

第101回 問338 PDF

第101回 問339

第101回薬剤師国家試験 問337

下の図は一般的な外来初回診療の流れを示している。選択肢の語句を[A]〜[E]に当てはめたとき、[C]に入るものはどれか。1つ選べ。

 検査
 診断
 診察
 経過観察
 治療

 

 

 

解説
一般的な外来初回診療の流れを以下に示す。
受付 → 診察(病状、病因を調べる) → 検査 → 診断(健康状態、病気の種類や病状を判断する) → 経過観察又は治療

解答
2

第101回 問337 PDF

第101回 問338

第101回薬剤師国家試験 問336

調剤室にある錠剤棚のAとBに配置していた医薬品が採用中止となり、下記の新規採用医薬品と入れ替えることにした。この薬局の業務手順書は、法的及び安全管理の観点から医薬品の一般名称での50音順で配列し、規制区分も考慮している。

新規採用医薬品:
Aとして、トラマドール塩酸塩カプセル50 mg、トリアゾラム錠0.25 mg、トリクロルメチアジド錠1 mg
Bとして、フェノバルビタール錠30 mg、フェブキソスタット錠20 mg、フェンタニル舌下錠100 µg

AとBに入れる適切な組合せはどれか。1つ選べ。

 

 

 

解説
本設問では、医薬品の規制区分(毒薬、劇薬、麻薬、向精神薬など)を考慮にいれ、医薬品の配置を設定する必要がある。
A
Aの周囲のドキサゾシン錠1 mgとトリヘキシフェニジル錠2 mgは普通薬であることからAに配置するのは普通薬である。トラマドール塩酸塩カプセル50 mgは劇薬、トリアゾラム錠0.25 mgは向精神薬、トリクロルメチアジド錠1 mgは普通薬である。よって、Aにはトリクロルメチアジド錠1 mgを配置する。
B
Bの周囲のフェキソフェナジン錠60 mgとフドステイン錠200 mgは普通薬であることからBに配置するのは普通薬である。フェノバルビタール錠30 mgは劇薬・向精神薬、フェブキソスタット錠20 mgは普通薬、フェンタニル舌下錠100 µgは麻薬である。よって、Bにはフェブキソスタット錠20 mgを配置する。

解答
2

第101回 問336 PDF

第101回 問337