第100回薬剤師国家試験」カテゴリーアーカイブ

第100回薬剤師国家試験 問345

ある日、以下の処方せんを持った5歳男児の両親が保険薬局を訪れた。この薬局には、ドライシロップの在庫が全くなく、医師に疑義照会してオセルタミビルリン酸塩カプセル75 mgを脱カプセルして調剤することになった。

(処方)
オセルタミビルリン酸塩ドライシロップ3% 1回 1.3 g(1日2.6 g)
1日2回 朝夕食後 5日分

この処方を全量調剤するのに必要なオセルタミビルリン酸塩カプセルの最少数はいくつか。1つ選べ。

 4カプセル
 5カプセル
 6カプセル
 7カプセル
 8カプセル

 

 

 

解説
<オセルタミビルリン酸塩の成分量を求める>
オセルタミビルリン酸塩ドライシロップ3%が製剤量として2.6 g/日×5日分=13 g処方されていることから、オセルタミビルリン酸塩が成分量を以下のように求めることができる。
13 g×0.03=13000 mg×0.03=390 mg
<オセルタミビルリン酸塩をカプセルの数を求める>
オセルタミビルリン酸塩カプセル75 mgは1カプセル中に75 mgのオセルタミビルリン酸塩が含まれていることから、390 mgのオセルタミビルリン酸塩をカプセルで用意するための数を以下のように求めることができる。
390 mg/75 mg=5.2カプセル
よって、オセルタミビルリン酸塩カプセルは最低限6カプセル必要となる。

解答
3

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第100回薬剤師国家試験 問344

65歳男性。身長178 cm、体重75 kg。食道がんの術前・術後の栄養管理に栄養サポートチーム(NST)が関与することになった。ただし、本患者の食道に通過障害はあるものの、水分摂取は可能で食道以外に障害はなかった。術後においても、水分摂取は可能であった。この患者に対する栄養療法に関する記述のうち、適切なのはどれか。2つ選べ。

 術前の栄養管理は、経腸栄養療法は実施できない。
 術後の栄養管理には、経腸栄養療法が適している。
 末梢静脈栄養療法では、1日あたりに必要となる糖質量を投与することができない。
 経腸栄養剤としては、半消化態栄養剤よりも成分栄養剤の方が適している。
 経腸栄養療法よりも、中心静脈栄養療法の方が感染性リスクは少ない。

 

 

 

解説
1 誤
問題文に「本患者の食道に通過障害はあるものの、水分摂取は可能で食道以外に障害はなかった」とあることから、本患者の食道以外の消化管は機能していると考えられる。本患者のように消化管が機能している場合においては経腸栄養療法を行うことが望ましい。
2 正
解説1参照
3 正
静脈栄養療法おいて、1日あたりに必要となる糖質量を投与するには、高濃度(高浸透圧)の糖質輸液を投与しなければならない。末梢静脈より高浸透圧の糖質輸液を投与すると細胞が壊死するおそれがあるため、末梢静脈栄養療法では、1日あたりに必要となる糖質量を投与することができない。
4 誤
本患者の食道以外の消化管は機能していると考えられるため、成分栄養剤(吸収するために消化機能を必要としない栄養剤)よりも半消化態栄養剤(吸収するために消化機能を有する)の方が適している。
5 誤
経腸栄養療法よりも、中心静脈栄養療法の方が感染性リスクは高い。

解答
2、3

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第100回 問345

第100回薬剤師国家試験 問343

次の5名の健康診断の情報から、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)として特定健康診査・特定健康指導を受けるように強く指導するべき対象者の番号はどれか。1つ選べ。ただし、対象者はすべて喫煙歴はないものとする。

 

 

解説
特定健康診査・特定保健指導は、内臓脂肪型肥満を基本とするメタボリックシンドローム(内臓脂肪型症候群)に着目したものであり、その対象者の年齢は、40〜74歳である。
特定保健指導の対象者は以下のように階層化されている。


これらのことから、選択肢1、5は年齢的に特定保健指導の対象外であり、選択肢3は腹囲が基準値以下であることから特定保健指導の対象外となる。また、選択肢2は追加リスク因子が1つであることから、動機付け支援の対象となるが、積極的支援の対象とはならない。

解答
4

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第100回 問344

第100回薬剤師国家試験 問342

夏のある日曜日の午前中、薬局に男性から電話があった。その内容は、「早朝からひどい水様便で何度もトイレに行く状態だ。熱はない。昨夜寝る前に冷たいビールを飲んだ。これからそちらに行く。」とのことであった。この男性に薦める一般用医薬品の成分として適切なのはどれか。2つ選べ。

 タンニン酸アルブミン
 ピレンゼピン塩酸塩水和物
 スクラルファート水和物
 ロペラミド塩酸塩
 大黄

 

 

 

解説
設問の男性は症状として水様便を呈しているが、熱がないことから感染症の下痢であるとは考えにくい。このことから、この男性に薦める一般用医薬品の成分として適切なのは、止瀉作用を有するタンニン酸アルブミン、ロペラミド塩酸塩である。
1 正
2 誤
ピレンゼピン塩酸塩水和物は、胃酸分泌抑制作用を有するため、胃痛や胸やけ、胃酸過多、胃もたれに用いられる。
3 誤
スクラルファート水和物は、胃粘膜保護作用を有するため、胃痛、胸やけ、吐き気、もたれ、胃部不快感に用いられる。
4 正
5 誤
大黄は、大腸刺激作用を有するため、便秘に用いられる。

解答
1、4

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第100回 問343

第100回薬剤師国家試験 問341

近隣の高齢者とその家族から熱中症について薬局に質問があった。薬剤師の説明として適切でないのはどれか。1つ選べ。

 室内でも温度や湿度が高いと発症することがあります。
 初期症状としては、めまいや立ちくらみが現れることがあります。
 意識障害が出ている場合、その場所で意識が戻るまで安静にさせて下さい。
 のどが渇かなくても、こまめに水分摂取と適度の塩分補給が必要です。
 高齢者は、汗をかきにくく、発症しやすくなるので注意が必要です。

 

 

 

解説
1 適切
室内であっても温度や湿度が高いと、体温調節がうまくできなくなり、熱中症を発症することがある。
2 適切
熱中症の初期症状として、めまい、筋肉痛、手足のしびれ、立ちくらみが現れることがある。
3 不適切
意識障害が出ている場合、高度の熱中症を発症している可能性があるため、すぐに医療機関に搬送する必要がある。
<熱中症の重症度と対処>
Ⅰ度(軽度):めまい、筋肉痛、手足のしびれ
Ⅱ度(中等度):頭痛、吐き気、嘔吐、倦怠感、虚脱感
Ⅲ度(高度):Ⅱ度の症状に加え、意識障害、痙れん、肝機能障害、腎機能障害、血液凝固障害
Ⅰ度:現場で対処可能、Ⅱ度:速やかに医療機関への受診、Ⅲ度:すぐに病院に搬送
4 適切
熱中症は、体内の水分や塩分のバランスが崩れることで発症することがあるため、のどが渇かなくても、こまめに水分摂取と適度の塩分補給が必要である。
5 適切
高齢者は、汗をかきにくく、体温調節がうまくできないことから熱中症を発症しやすいので注意する必要がある。

解答
3

 

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第100回 問342

第100回薬剤師国家試験 問340

卸業者から納品された医薬品の外箱側面に下記の記載があった。この医薬品の検収・保管に関する記述のうち誤っているのはどれか。2つ選べ。

 外箱に破損がないか、開封されていないか確認した。
 納品伝票の内容が外箱に書かれた記載と一致するか確認した。
 第二種向精神薬の譲受簿に記録した。
 盗難防止のため、麻薬金庫に保管した。
 保管場所の温度は25℃に設定した。

 

 

 

解説
検収とは、納品された医薬品を検査して受け取ることである。検収時には、医薬品名、剤形、規格、会社名(メーカー名)、包装単位、数量、有効期限、使用期限、製造年月日、製造番号(ロット番号)、外観上からの品質確認、配送中の保存状況などを確認する必要がある。
1 正しい
医薬品検収時には、外観からの品質確認(外箱の破損、開封されていないか等の確認)を行う必要がある。
2 正しい
医薬品検収時には、伝票の内容(医薬品名、剤形、規格、会社名(メーカー名)、包装単位、数量、有効期限、使用期限、製造年月日、ロット番号など)と外箱に記載されている内容が一致するか確認する必要がある。
3 誤っている
ジアゼパム錠は、第三種向精神薬に指定されているため、譲受簿を記載するは必要ない。
4 誤っている
ジアゼパムは、向精神薬であるため、麻薬と一緒に保管できない。
5 正しい
本剤の貯法が室温(1〜30℃)保存となっているため、保管場所の温度を25℃に設定することは適切である。

解答
3、4

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第100回 問341

第100回薬剤師国家試験 問339

薬局製造販売医薬品(薬局製剤)の製造・販売に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

 薬局における設備・器具で製造し、その薬局において直接消費者に販売又は授与する医薬品である。
 薬局製剤は、厚生労働大臣の承認・許可を受けた薬局でしか製造・販売できない。
 薬局製剤は、漢方薬を主体とした漢方製剤は含まれない。
 薬局製剤は薬局独自の品目を、独自の製法によって製造することが可能である。
 薬局製剤の製造販売にあたっては添付文書を作成する。

 

 

 

解説
1 正
薬局製剤とは、薬局における設備及び器具をもって製造し、その薬局において直接消費者に販売または授与する医薬品のことである。
2 誤
薬局製剤は、都道府県知事の承認・許可を受けた薬局で製造・販売することができる。
3 誤
薬局製剤には、漢方薬を主体とした漢方製剤も含まれる。
4 誤
薬局製剤は、薬局製剤指針に記載されている製造方法にしたがって製造しなければならない。
5 正
薬局製剤の製造販売する際には、添付文書を作成することに加え、医薬品の封、直接の容器への表示、医薬品の試験、作業(管理)記録の作成と保存が義務付けられている。

解答
1、5

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第100回 問340

第100回薬剤師国家試験 問338

病棟で抽出された以下の問題点について、薬剤師の対応・判断として適切と考えられるのはどれか。2つ選べ。

 アドヒアランス不良の患者に対し、薬剤情報提供書と薬物実物を用いて指導を行った。
 患者の意識が低かったので服用薬に対する理解度を高めるため、一包化調剤で対応した。
 高血圧患者より2種類の内服薬の管理がうまくできないとの申し出があり、医薬品情報を調査して配合剤への変更が可能かを検討した。
 注射用セフェム系抗生物質投与時の患者観察に関する看護師の相談に対して、初回投与時に問題が無かったので同一薬剤2回目以降の観察は不要と回答した。

 

 

 

解説
1 正
アドヒアランス不良(治療に積極的でない)患者に対しては、薬剤情報提供書と薬物実物を用いて指導することは有効な手段である。
2 誤
患者の服用薬に対する理解度を高めるためには、薬を服用する意義、副作用等について説明する必要がある。なお、一包化調剤は飲み忘れの多い患者に対して行う必要がある。
3 正
複数の薬剤をうまく服用できない患者に対しては一包化調剤もしくは配合剤の投与を検討する。
4 誤
注射用セフェム系抗生物質の投与により副作用として、アナフィラキシーが現れることがあるため、初回投与時に問題が無かった場合でも、2回目投与以降も観察する必要がある。

解答
1、3

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第100回 問339

第100回薬剤師国家試験 問337

3歳男児。急性中耳炎に対し、以下の薬剤が処方された。この事例に対応した薬剤情報提供として適切でないのはどれか。2つ選べ。

(処方)
デキサメタゾンエリキシル0.01% 1回 1.33 mL(1日4 mL)
単シロップ 1回 0.67 mL(1日2mL)
以上、混合して1剤とする。 1日3回 朝昼夕食後 4日分

 1回量は2 mLであることを伝えた。
 感染を防止する作用があることを伝えた。
 消化管障害が現れることがあることを伝えた。
 説明する時間がなかったので添付文書を渡した。
 エタノールが含まれることを伝えた。

 

 

 

解説
1 適切
1回量は、1.33 mL(デキサメタゾンエリキシル0.01%)+0.67 mL(単シロップ)であることから、2 mLとなる。
2 不適切
デキサメタゾンは副腎皮質ステロイド性薬であり、免疫力低下作用を有するため、感染症を誘発する可能性がある。
3 適切
デキサメタゾンは、重篤な副作用として消化性潰瘍、消化管穿孔などを起こすことがある。
4 不適切
薬剤を交付する際には、服薬指導をする必要がある。
5 適切
デキサメタゾンエリキシル剤には、エタノールが含まれている。

解答
2、4

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第100回 問338

第100回薬剤師国家試験 問336

市立病院に勤務する新人薬剤師が、はじめて病棟で患者を担当することになった。
59歳男性。前立腺がんが原発であったが骨に転移し激しい痛みを伴っており、がんに対する化学療法と痛みに対する緩和ケアが必要とされる。そこで、この薬剤師は患者への介入を考えるため、患者のカルテを閲覧した。薬剤師の行動として通常許容されるのはどれか。1つ選べ。

 患者氏名をイニシャル化し、私的所有のUSBメモリに患者情報を記録し、自宅に持ち帰った。
 患者の氏名と使用医薬品名をノートに記録し、製薬企業の学術担当者に見せて相談した。
 他院の友人に依頼して、類似症例のカルテのコピーを入手し、参考にした。
 大学の図書館で調べものをするので、患者個人情報を持ち出した。
 薬剤部内の症例検討会で発表するために、カルテに基づく資料を匿名化したうえで作成した。

 

 

 

 

解説
1 誤
患者氏名をイニシャル化しても、私的所有のUSBメモリに患者情報を記録し、自宅に持ち帰ることは、薬剤師の行動として通常許容されるものではない。
2 誤
患者情報を記録やコピーをして治療に関わっていない第三者に見せることは、薬剤師の行動として通常許容されるものではない。
3 誤
解説2参照
4 誤
病院内から、患者個人情報を持ち出すことは、薬剤師の行動として通常許容されるものではない。
5 正
患者に関する資料を匿名化した上で勉強会の資料を作成することは、薬剤師の行動として通常許容されるものである。

解答
5

第100回 問336 PDF

第100回 問337