【概要】
痛みとは、組織の損傷や神経の異常によって生じる不快な感覚であり、末梢に存在する自由神経終末(侵害受容器)が刺激を受けることで発生する。この刺激は脊髄を経由して中枢神経へ伝えられ、最終的に大脳で「痛み」として認識される。
疼痛の背景にはさまざまな原因が存在する。がんや虚血による臓器障害、血管の拡張や内臓運動の異常といった機能的要因、さらに帯状疱疹や糖尿病などに伴う神経障害性疼痛も含まれる。急激に出現する強い痛みは、急性心筋梗塞、くも膜下出血、肺塞栓症など生命に関わる疾患のサインである場合もあり、痛みの性質や経過を評価することが重要である。
しもっち痛みは大きく、
✔ 侵害受容性疼痛(炎症・組織損傷)
✔ 神経障害性疼痛
✔ 心因性疼痛
に分けて整理しておくことが重要です。
さらに、「どの機序で痛みが起こっているのか」を考えられるようになると、
✔ NSAIDs(PGE₂抑制)
✔ オピオイド(中枢抑制)
✔ 抗うつ薬・抗てんかん薬(下行性抑制系・神経障害性疼痛)
といった鎮痛薬の選択につなげることができます。
単に薬の名前を覚えるのではなく、
痛みの機序 → 関与する神経伝達物質 → 作用点 → 治療薬
という流れで整理しておきましょう。
【痛みの伝達と調節機構】
痛みの伝達は、皮膚や内臓に存在する侵害受容器が炎症や損傷を感知することから始まる。
組織障害により放出されるブラジキニンやプロスタグランジンE₂(PGE₂)が受容器を刺激し、その情報は一次求心性ニューロンを通って脊髄後角へ送られる。
脊髄では、サブスタンスPやグルタミン酸などの神経伝達物質が放出され、二次ニューロンへと信号が伝達される。その後、痛覚情報は延髄・中脳・視床を経由して大脳皮質へ到達し、そこで痛みとして自覚される。
一方、体内には痛みを抑える仕組みも存在する。
大脳皮質からの指令は下行性に伝わり、セロトニンやノルアドレナリンが脊髄後角に作用することで痛覚伝達を抑制する。この調節系は下行性疼痛抑制系と呼ばれ、鎮痛薬の作用機序とも深く関係している。



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