●亜酸化窒素(N₂O)
(助燃性気体)
長所
強い鎮痛作用、導入・覚醒が速い。
短所
麻酔作用は弱く、酸素欠乏症の危険(投与時は酸素を併用し吸入酸素濃度20%以上を維持)。
●ハロタン
(不燃性揮発性液体)
長所
麻酔作用が強く、導入・覚醒が速い。
短所
心筋のカテコールアミン感受性を大きく高め、不整脈を誘発しやすい。
鎮痛作用は弱い。まれに肝障害。
●イソフルラン(不燃性揮発性液体)
●セボフルラン(不燃性揮発性液体)
長所
麻酔作用・気管支平滑筋弛緩作用はハロタン並み。心筋感受性増大作用はハロタンより弱く、不整脈が少ない。血液・脂肪への溶解度が低く、導入・覚醒が比較的速い。
短所
ハロタンほどではないが肝障害を起こすことがある。
●デスフルラン
(不燃性揮発性液体)
イソフルラン誘導体である。
強い気道刺激があり導入には不向き。主に全身麻酔維持に使用される。
麻酔作用の強さは、最小肺胞内濃度(MAC : minimum alveolar concentration)で表される。
MACは、皮膚切開などの手術刺激を与えた際に、50%のヒトや動物が体動を示さなくなる肺胞内麻酔濃度を指す。これは全身麻酔薬の ED₅₀(50%有効量) に相当する。MAC値が小さいほど、より強い麻酔作用を示す。
導入および覚醒の速さは、呼気と血液間の二相の溶解度に依存し、血液/ガス分配係数で表される。この係数は、37℃・1気圧において血液1 mLに溶けるガス量(mL)を示す。値が小さいほど血液に溶けにくく(飽和しにくく)、麻酔導入・覚醒が速い。
| 薬物 | MAC | 麻酔 作用 |
血液 /ガス 分配係数 |
導入 ・覚醒速度 |
鎮痛作用 | 筋弛緩作用 |
| ハロタン | 0.78 | +++ | 2.3 | 速い | + | + |
| イソフルラン | 1.4 | +++ | 1.4 | 速い | ++ | +++ |
| セボフルラン | 1.71 | +++ | 0.6 | 非常に速い | ++ | +++ |
| 亜酸化窒素 | 105 | + | 0.47 | 非常に速い | ++ | - |
| エーテル | 1.9 | +++ | 15 | 遅い | +++ | +++ |







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