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乳がん

【概念】
乳がんは、乳腺内の乳管や小葉に発生する上皮性悪性腫瘍であり、小葉がんに比べ、乳管がんが割合が多いとされる。発症には女性ホルモンのひとつであるエストロゲンが深く関わっており、初潮が早い・閉経が遅い・出産や授乳の経験が少ない・閉経後の肥満やホルモン補充療法の使用などは、リスクを高める因子とされている。また、BRCA1やBRCA2といったがん抑制遺伝子の異常も発症に関与すると考えられている。

【症状】
乳がん患者は、乳房の外側上部にしこり(腫瘤)を自覚することが多い。ただし、それ以外の症状は自覚しにくく、無症状で経過する場合もある

【検査】
乳がんのしこりは、乳房の外側上部に好発する
マンモグラフィーで異常が発見された場合には、超音波検査や針生検(細胞診・組織診)によって確定診断を行う。
異常が軽微で良性の可能性が高い場合は、36か月ごとの経過観察が推奨される。
腫瘍マーカー(CA15-3)は治療効果の判定に用いられるが、早期乳がんのスクリーニングには不向きである。
転移では、腋窩リンパ節(4050%)が最も多く、血行性には骨・肺・肝・胸膜などへの転移がみられる。

【治療】
治療法は進行度に応じて選択される。外科的治療では乳房温存術が主流となっており、放射線療法や薬物療法を補助的に併用する。

◉乳がんの進行度と治療法

【ホルモン療法】
乳がんの発育に関与するエストロゲンの作用を抑制する目的で実施される。
閉経前は卵巣から、閉経後は脂肪組織でアロマターゼを介してエストロゲンが産生される。

閉経状況による治療戦略
・閉経前乳がん:タモキシフェンを基本とし、必要に応じてLH-RH誘導体を併用
・閉経後乳がんアロマターゼ阻害薬の単独投与、またはタモキシフェンからアロマターゼ阻害薬に切替え

 ◉主なホルモン療法薬と特徴

 ◉ホルモン療法と併用される薬剤

◉化学療法
複数の抗がん薬を組み合わせた多剤併用療法が行われる。

主な多剤併用レジメン

また、パクリタキセル、ドセタキセル(タキサン系)もよく用いられる。アブラキサン®(アルブミン懸濁型パクリタキセル:nab-PTX)は過敏症が少なく、前処置が不要な利点がある。

◉分子標的治療薬
がん細胞の特定分子を標的とする治療。主にHER2EGFRなどの受容体を抑制する。

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