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遺伝疾患

こんにちは。今回は「遺伝疾患(genetic disorders)」について学びます。遺伝疾患とは、染色体や遺伝子の異常によって発症する疾患のことで、本人の生活習慣や環境とは無関係に、親から子へ遺伝することがある病気です。

1. 遺伝疾患の全体像

遺伝疾患は、次のような分類に分けられます

  • 単一遺伝子疾患(常染色体性・X連鎖性など)

  • 染色体異常症(ダウン症候群など)

  • 多因子遺伝病(糖尿病、喘息など)

  • ミトコンドリア遺伝病

  • 体細胞遺伝病

今回はこの中から、「常染色体遺伝病」と「X染色体連鎖遺伝病(X連鎖疾患)」について詳しく学びます。

2. 常染色体遺伝病とは?

常染色体とは、性染色体以外の22対の染色体のことです。
この常染色体上にある遺伝子の異常により発症する疾患が「常染色体遺伝病」です。

常染色体優性遺伝病(顕性遺伝)

原因遺伝子は「優性遺伝子」であり、片親からの1つの変異遺伝子だけで発症します。患者は通常、正常な遺伝子と異常な遺伝子のヘテロ接合体です。理論上、男女で発症率に差はありません。
例:ハンチントン病、家族性高コレステロール血症

このように、どちらかの親に原因遺伝子があれば、子に受け継がれて発症する可能性があります。

常染色体劣性遺伝病(潜性遺伝)

原因遺伝子は「劣性遺伝子」であり、両親の両方から変異遺伝子を受け継いだときにのみ発症します。患者は変異遺伝子を2本持つホモ接合体となります。両親がともに「保因者(ヘテロ接合体)」であることが多く、見た目は健康でも子どもに発症リスクがあります。

例:フェニルケトン尿症、ウィルソン病、鎌状赤血球症

3. X染色体連鎖遺伝病(X連鎖疾患)

X連鎖疾患とは、X染色体上の遺伝子に異常があることによって発症する病気です。性別によって発症のしやすさが異なる点が特徴です。

ポイントとなる性染色体の違い

  • 男性(XY):X染色体が1本しかないため、変異があれば必ず発症

  • 女性(XX):片方のX染色体に正常遺伝子があれば、発症しにくい(保因者になることが多い)

X染色体優性遺伝病

X染色体上の優性遺伝子の変異によって起こる。男性でも女性でも発症するが、女性のほうが症状が軽い傾向がある

例:ビタミンD抵抗性くる病

X染色体劣性遺伝病

  • X染色体上の劣性遺伝子の変異によって起こる

  • 男性では変異があれば必ず発症

  • 女性では、2本とも異常でないと発症しない(保因者にとどまることが多い)

  • 例:血友病、ファブリー病、デュシェンヌ型筋ジストロフィー

4. まとめ表

分類 遺伝形式 特徴 代表例
常染色体優性遺伝 優性 片親の異常遺伝子で発症 ハンチントン病、高コレステロール血症
常染色体劣性遺伝 劣性 両親からの遺伝子異常で発症 フェニルケトン尿症、ウィルソン病
X連鎖優性遺伝 優性 男女ともに発症、女性の方が軽度 ビタミンD抵抗性くる病
X連鎖劣性遺伝 劣性 男性で発症しやすい 血友病、デュシェンヌ型筋ジストロフィー

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