こんにちは、今回は「細胞の構成」について講義形式で解説していきます。
細胞はすべての生命の基本単位です。そして、薬学では「薬が効く場所」としても非常に重要です。細胞膜を通って、どこに薬が届くのか? どの小器官に作用するのか?を理解することは、生物以外の科目を理解する上でも非常に重要です。
真核細胞と原核細胞の違い
まず、大前提から確認しましょう。
👉 生物は「真核生物」と「原核生物」に分けられます。
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真核生物(ヒト、植物、菌類など):核をもち、細胞小器官が発達している
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原核生物(細菌など):核膜がなく、細胞小器官も基本的に持たない
今回扱うのは真核生物を形成する「真核細胞」です。つまり、私たち人間の細胞構造です。
真核細胞の主な構成要素
真核細胞は多くの細胞小器官(オルガネラ)から構成されています。それぞれが専門的な役割を担っており、まるで「工場のような構造」になっています。国家試験では、細胞小器官の機能について、出題されるので、それぞれの機能はしっかり確認しておきましょう。
【核】DNAの保管庫&遺伝情報の中心
細胞の核は、DNAが染色体という形で格納されている場所であり、遺伝情報の中枢を担う非常に重要な構造です。核の内部では、DNAの複製や転写、さらに転写産物の修飾といった一連の遺伝情報の発現過程が行われており、まさに細胞機能の“司令塔”として働いています。
この核は核膜と呼ばれる二重膜に包まれており、その膜には核膜孔と呼ばれる小さな孔が空いています。ここを通じて、転写によって作られたmRNAが細胞質へと移動し、リボソームでのタンパク質合成へとつながります。
さらに、核の内部には核小体(核仁)と呼ばれる構造が存在し、ここではリボソームの構成要素となるrRNAの合成が行われています。合成されたrRNAはタンパク質と結合し、リボソームの前駆体が形成されることで、細胞内のタンパク質合成が可能になります。
このように、「核」は遺伝情報の保管だけでなく、その利用と制御の中心的な場でもあることを押さえておきましょう。
【ミトコンドリア】エネルギーを生み出す“発電所”
ミトコンドリアは、細胞内でエネルギー(ATP)を生み出す中心的な小器官です。私たちが食事から摂取したブドウ糖や脂肪酸などの栄養素を利用して、ATP(アデノシン三リン酸)というエネルギーを合成します。
構造としては、外膜と内膜の二重膜構造になっており、特に内膜には「クリステ(ひだ)」と呼ばれる折りたたみ構造があります。このクリステによって膜の表面積が増え、ATP合成の効率が高まるという仕組みです。
内膜の内側は「マトリックス」と呼ばれ、ここではクエン酸回路や脂肪酸のβ酸化など、代謝に関わるさまざまな酵素が働いています。そして、内膜上に存在する電子伝達系を介して、酸素を使った好気的呼吸が行われ、効率的にATPが生成されます。
また、ミトコンドリアには他の小器官にはない特徴があり、独自のDNA(ミトコンドリアDNA)とリボソームを持っているため、自分で一部のタンパク質を合成できる半自律的な小器官でもあります。
このように、ミトコンドリアは細胞の生命活動を支えるエネルギー源として、極めて重要な役割を果たしています。国家試験でも頻出のテーマなので、構造と働きをしっかり区別して覚えておきましょう。
【小胞体】タンパク質・脂質の“生産ライン”
小胞体は、細胞の内部に張り巡らされた膜構造のネットワークで、主に物質の合成と輸送を担う小器官です。構造的には2つに分けられます。
まず1つ目は、粗面小胞体。ここは表面にリボソームが付着しているのが特徴で、タンパク質の合成の場として機能します。合成されたタンパク質は小胞体内に取り込まれ、ゴルジ体へ輸送され、最終的に細胞外へ分泌されたり、膜タンパク質として細胞膜に組み込まれたりします。
2つ目は、滑面小胞体。こちらはリボソームを持たず、脂質やステロイドホルモンの合成、さらにカルシウムイオンの貯蔵と放出に関わっています。また、肝細胞では薬物の代謝にも関与し、シトクロムP450酵素が働く場でもあります。
【ゴルジ体】タンパク質の“仕上げ&発送センター”
ゴルジ体は、小胞体で合成されたタンパク質を受け取り、それを加工・修飾・仕分けして最終目的地へ届ける働きを持つ小器官です。構造的には、扁平な袋状の膜構造が何層にも重なっています。
ここでは、タンパク質に対して糖鎖の付加(糖鎖修飾)やリン酸化などの翻訳後修飾が加えられます。その後、小胞に包まれて細胞外へ分泌されたり、リソソームへ輸送されたりと、用途に応じた仕分けが行われます。
つまりゴルジ体は、タンパク質を完成品へと仕上げる加工場であり、物流センターのような役割を果たしているのです。
🧹【リソソーム】細胞内の“ゴミ処理場”
リソソームは、細胞内で不要になった構造物や異物を分解する小器官で、加水分解酵素を豊富に含んでいるのが特徴です。これらの酵素は、酸性環境(pH5以下)で最大の活性を発揮します。
リソソーム内は、ATP駆動型のプロトンポンプによって酸性が維持されており、異物や老朽化した細胞成分を加水分解酵素(プロテアーゼ、ヌクレアーゼなど)で分解し、再利用可能な分子へ分解します。
オートファジー(自食作用)にも関わっており、細胞の恒常性維持に不可欠な清掃システムとして働いています。
【ペルオキシソーム】酸化と解毒を担う“分解工場”
ペルオキシソームは、脂肪酸や有害物質を酸化分解する小器官です。ここでは酸化反応により過酸化水素(H₂O₂)が生成されますが、それをカタラーゼという酵素で水と酸素に分解することで、細胞への毒性を回避しています。
また、長鎖脂肪酸のβ酸化も行われることから、ミトコンドリアとともに脂質代謝にも関与しています。肝臓などの解毒機能の高い細胞に特に多く存在しています。
【リボソーム】タンパク質の“合成装置”
リボソームは、mRNAの情報をもとにアミノ酸をつなぎ合わせてタンパク質を合成する装置です。rRNA(リボソームRNA)とタンパク質で構成されており、小サブユニットと大サブユニットが結合して働きます。
リボソームには2種類あります。
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膜結合型リボソームは、粗面小胞体に付着し、分泌タンパク質や膜タンパク質を合成します。
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遊離型リボソームは、細胞質に浮遊しており、細胞内で使われる酵素や構造タンパク質を合成します。
いずれも、細胞の機能を維持するために必要不可欠なタンパク質の工場です。
まとめ:細胞を知ることは、薬の標的を知ること
薬はどこに届いて、どんな働きをするのか?
それを理解するには「細胞構造の基本」を知ることが最初の一歩です。
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ミトコンドリアでのATP産生(エネルギー代謝)
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小胞体・ゴルジ体でのタンパク質修飾と分泌
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リソソームによる分解とオートファジー
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ペルオキシソームと薬物代謝(P450との関係も!)
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