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実質安全量(Virtually Safe Dose, VSD)

実質安全量(VSD)とは、発がん性物質などの健康リスクを伴う化学物質について、理論的なリスクがほぼ無視できる程度まで低減された摂取量や曝露量を指す。

この概念は、毒性が閾値のない物質(特に発がん性物質)に対して使用されることが多い。ここでの「実質的に安全」という表現は、完全にリスクがゼロであることを意味するのではなく、リスクが非常に低い(ほぼ無視できる)レベル(10万分の1の確率で発がんする量)に抑えられていることを指す。

1. 基本的な定義

  • 対象物質: 発がん性物質など、摂取量に応じて直線的にリスクが増加する(閾値がない)と考えられる化学物質。
  • 単位: mg/kg体重/日 または μg/kg体重/日。

2. 設定方法

  1. 動物実験データや疫学データの収集:
    • 発がん性物質の摂取量と健康被害(がん発生率)の関係を評価。
    • 許容摂取量の算出:
      • 摂取量に対して設定されたリスクレベルに基づき、VSDが計算される。

    3. VSDと関連する概念

    • ADI(許容一日摂取量)やTDI(耐容一日摂取量)との違い:
      • ADIやTDIは、安全な閾値が存在する物質を対象とする。
      • VSDは、閾値がないとされる物質(特に発がん性物質)に対して使用される。
    • リスクレベル:
      • VSDでは「リスクがゼロではないが、実質的に安全とみなせるレベル」を設定する。
      • 例: 「10-5レベル」(10万人中1人)が用いられる。

    4. 実質安全量の活用

    1. 規制基準の設定:
      • 食品や飲料水中の発がん性物質に関する基準値を策定する際に利用される。
      • 例: 水中のベンゼン濃度、食品中のマイコトキシン濃度。
    2. リスクコミュニケーション:
      • 消費者や規制当局に対し、「完全に安全」ではなく、「実質的にリスクが無視できるレベル」であることを説明する際に使用。

    5. 注意点

    • リスクの受容性:
      • VSDはリスクがゼロではないため、社会的に受容可能なリスク水準を合意する必要がある。
    • データの不確実性:
      • 動物実験から人間への外挿には不確実性が伴うため、慎重な解釈が求められる。

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