特殊健康診断とは、労働安全衛生法に基づき、特定の有害業務に従事する労働者を対象に実施される健康診断である。有害な物質や環境条件が労働者の健康に及ぼす影響を早期に発見し、健康障害を予防することを目的とする。
1. 特徴
- 対象者の限定:
- 有害な化学物質、粉じん、放射線、騒音、振動などの影響を受ける業務に従事する労働者が対象となる。
- 例: 鉛や有機溶剤を取り扱う作業員。
- 法的義務:
- 労働安全衛生法およびその関連法規(施行令・施行規則)に基づき、事業者が実施する義務を負う。
- 特定の項目を評価:
- 業務に関連する有害因子に応じて診断項目が異なる。
- 例: 有機溶剤業務では尿中代謝物測定、鉛業務では血中鉛濃度測定。
2. 実施対象となる業務
以下のような有害業務が主な対象である:
- 化学物質関連業務:
- 有機溶剤、鉛、特定化学物質(ベンゼン、クロム酸など)。
- 粉じん作業:
- 石綿(アスベスト)や鉱石粉じんを扱う業務。
- 騒音や振動:
- 高騒音環境での作業や振動工具を使用する業務。
- 放射線作業:
- 放射線を扱う研究所や医療機関。
- その他の有害環境:
- 酸素欠乏、極端な高温または低温環境下の作業。
3. 主な診断項目
業務の内容に応じて、以下のような項目が含まれる:
- 問診:
- 有害物質への曝露歴、症状(めまい、頭痛、皮膚異常など)の確認。
- 身体検査:
- 一般的な身体の状態(血圧、心拍数など)や特定部位(皮膚、呼吸器など)の診察。
- 血液・尿検査:
- 血中鉛濃度、尿中代謝物、肝機能検査など。
- 特定検査:
- 聴力検査、肺機能検査、胸部X線撮影など、有害因子に応じた検査。




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