心電図とは、心臓の電気的活動を記録する方法であり、心臓が拍動する際に発生する電気信号を皮膚表面で検出して波形として描き出す。これにより、心臓のリズムや機能、異常を診断するための重要な手段である。
基本的な仕組み
心臓の拍動は、心筋の興奮(脱分極と再分極)の電気的な変化によって起こる。この電気活動は、以下の順序で進む:
- 洞房結節(洞結節)
心臓のペースメーカーとして機能し、規則的に電気信号を発生させる。 - 心房伝導
洞房結節からの電気信号が心房を伝わり、心房が収縮する(P波に相当)。 - 房室結節(AV結節)
電気信号を少し遅らせて心室に伝える役割を果たす。 - ヒス束とプルキンエ線維
房室結節から心室へ信号を伝え、心室全体を興奮させる(QRS波に相当)。 - 再分極
心筋が元の静止電位に戻る過程(T波に相当)。
心電図の波形と意味
- P波
- 心房の脱分極(収縮)を示す。
- 正常では小さく滑らかな波形。
- PR間隔
- 洞房結節から房室結節を通り、心室が興奮するまでの時間。
- QRS波
- 心室の脱分極(収縮)を示す。
- T波
- 心室の再分極(弛緩)を示す。
- QT間隔
- 心室が脱分極してから再分極するまでの時間。
心電図の種類
- 12誘導心電図
- 標準的な心電図検査で、12本の異なる視点から心臓の電気活動を記録する。
- 四肢に4つ、胸部に6つの電極を装着する。
- ホルター心電図
- 長時間(24~48時間)の心電図記録を行い、日常生活中の心電図を観察する。
- 運動負荷心電図
- 運動中の心電図を記録し、運動時の心臓の反応を確認する。
- モニタリング心電図
- 集中治療室などで継続的に心電図を監視する方法。
心電図で診断できる主な異常
- 不整脈
- 心房細動、心室細動、期外収縮など。
- 虚血性心疾患
- 心筋梗塞や狭心症の診断に用いられる。
- ST上昇や低下、異常なT波。
- 心肥大
- 心室肥大や心房肥大に伴う波形の異常。
- 伝導異常
- 房室ブロック、脚ブロックなど。
- 電解質異常
- 高カリウム血症や低カリウム血症に伴う波形の変化。





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