膝蓋腱反射(しつがいけんはんしゃ)は、膝の下にある膝蓋腱を軽く叩くことで起こる反射運動であり、脊髄反射の一種である。この反射は、中枢神経系や末梢神経系が正常に機能しているかを確認するための重要な診察法として利用される。別名「膝反射」や「膝蓋反射」とも呼ばれる。
反射の仕組み
膝蓋腱反射は、単シナプス反射の代表例であり、以下の流れで起こる:
- 刺激
- 膝蓋骨の下にある膝蓋腱をハンマーで軽く叩く。
- この刺激により、大腿四頭筋(太ももの前面の筋肉)が急に引き伸ばされる。
- 感覚受容器
- 筋肉内にある筋紡錘(きんぼうすい)が引き伸ばしを感知する。
- 感覚ニューロン
- 筋紡錘が感知した情報が感覚ニューロンを通じて脊髄に送られる。
- 単シナプス反射
- 脊髄内で感覚ニューロンが直接運動ニューロンにシナプス接続する(中間ニューロンを介さない)。
- 運動ニューロン
- 運動ニューロンが大腿四頭筋に信号を送り、筋収縮が起こる。
- 反応
- 大腿四頭筋が収縮することで膝関節が伸展し、足が軽く跳ね上がる。
臨床的意義
膝蓋腱反射は、神経系や筋肉系の健康状態を評価するために医療現場で用いられる。異常がある場合、それがどのレベルの障害によるものかを診断する手がかりとなる。
- 正常
- 軽い刺激で足が軽く跳ね上がる。
- 亢進(反射が強すぎる場合)
- 反射が過剰に強い場合は、上位運動ニューロン(脊髄や脳)の障害が考えられる。
- 例:脳卒中、多発性硬化症、脊髄損傷。
- 低下または消失(反射が弱いまたは起きない場合)
- 反射が弱い、または消失している場合は、下位運動ニューロン(末梢神経や筋肉)の障害が疑われる。
- 例:末梢神経障害、椎間板ヘルニア、ポリオ、筋疾患。




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