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海馬(Hippocampus)

海馬は、大脳の側頭葉内側にある細長い構造で、大脳辺縁系の一部を形成する。主に記憶の形成、空間認知、情報の統合に関与する重要な脳の部位である。その形状がタツノオトシゴ(英語で”hippocampus”)に似ていることからこの名称が付けられた。

海馬の主な機能

  1. 記憶の形成と統合
    • 短期記憶を長期記憶に変換するプロセスに重要な役割を果たす。
    • 記憶の「貯蔵」自体は大脳皮質で行われるが、その過程において海馬が中心的役割を担う。
  2. 空間認知とナビゲーション
    • 空間における自分の位置や周囲の環境を認識する。
    • 「場所細胞」と呼ばれる特殊な神経細胞が、空間地図を形成しナビゲーションを助ける。
  3. 情報の統合
    • 五感を通じて得られたさまざまな情報を統合し、体験として記憶する。
  4. ストレス応答の調整
    • 視床下部-下垂体-副腎軸(HPA軸)を調節し、ストレスに対する反応を管理。

海馬と関連する疾患

  1. アルツハイマー病
    • 初期段階で海馬が萎縮し、記憶障害が顕著に現れる。
    • 認知機能低下の進行とともに、海馬の損傷が拡大する。
    • ストレス障害(PTSD)
      • 慢性的なストレスやトラウマにより、海馬の体積が減少することが示されている。
    • うつ病
      • 長期のうつ病では、海馬の萎縮が観察されることがある。
      • 抗うつ薬治療が海馬の神経新生を促進するという研究もある。
    • 加齢による記憶低下
      • 加齢に伴い海馬の体積が減少し、記憶や認知機能が低下する。

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