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アシルCoA(Acyl-CoA)

アシルCoA(Acyl-CoA)とは、脂肪酸が補酵素A(CoA)と結合した化合物であり、脂質代謝における重要な中間体である。脂肪酸の活性化やβ酸化、脂質合成など、さまざまな生化学反応に関与している。

アシルCoAの特徴

  1. 構造
    アシルCoAは、長鎖脂肪酸(アシル基)と補酵素Aがチオエステル結合によって結合した化合物である。一般的な構造は以下の通り:

    • アシル基(R-CO-):脂肪酸由来の部分
    • 補酵素A(CoA):ビタミンB5(パントテン酸)から合成される分子
  2. 脂肪酸の活性化
    遊離脂肪酸が代謝に利用される前に、アシルCoA合成酵素(または脂肪酸CoAリガーゼ)によってアシルCoAに変換される。
    この反応にはATPが必要である。
  3. 代謝の中心的役割
    アシルCoAは脂質代謝のさまざまな経路で中心的な役割を果たす。

    • β酸化:ミトコンドリア内で分解され、アセチルCoAに変換されてエネルギーを生成。
    • 脂肪酸合成:中間体として機能。
    • ケトン体生成:アセチルCoAの生成を介して。
    • 膜リン脂質やスフィンゴ脂質の合成
  4. 輸送
    長鎖脂肪酸アシルCoAカルニチンと結合し、カルニチンシャトルを介してミトコンドリア内膜を通過し、β酸化に利用される。

アシルCoAの役割

  1. エネルギー生成
    アシルCoAは、脂肪酸のβ酸化においてアセチルCoAを生成し、TCA回路電子伝達系を介してATPを生産する。
  2. 脂質合成
    中性脂肪、リン脂質、スフィンゴ脂質の合成に利用される。
  3. 解毒作用
    毒性物質や異物の解毒において、アシルCoAを介して脂肪酸が修飾されることがある。

臨床的意義

  1. 代謝異常
    アシルCoAの生成や利用に関与する酵素の欠損は、脂質代謝障害を引き起こす。たとえば、
    カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ欠損症やアシルCoAデヒドロゲナーゼ欠損症など。
  2. エネルギー供給不全
    ミトコンドリア内でのアシルCoA代謝障害は、エネルギー供給不足を引き起こし、筋力低下や低血糖を伴う可能性がある。

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