低密度リポタンパク質(LDL)は、血液中に存在する脂質とタンパク質が結合した複合体であり、コレステロールを全身の細胞に運搬する役割を果たすリポタンパク質の一種である。LDLは「悪玉コレステロール」としても知られており、過剰に存在すると動脈硬化の原因となる。
構造と組成
LDLは以下の成分で構成されている:
- コレステロールエステル(約50%)
LDLの中心部分に存在し、脂溶性の貯蔵型コレステロールである。 - 遊離コレステロール(約10%)
表層に存在し、細胞膜やステロイドホルモンの合成に利用される。 - トリアシルグリセロール(約10%)
中性脂肪としてエネルギー源となる。 - リン脂質(約20%)
表面の構造を安定化させる役割を果たす。 - アポタンパク質B-100(ApoB-100)
LDL粒子の表面に存在し、細胞受容体との結合に重要な役割を果たす。
主な機能
- コレステロールの運搬
LDLは肝臓で合成されたコレステロールを血流を介して全身の細胞に届ける。細胞はLDL受容体を介してLDLを取り込み、コレステロールを細胞膜の構成やホルモン合成に利用する。 - 細胞のコレステロール供給
LDLに含まれるコレステロールは、細胞の正常な機能維持に不可欠であるが、過剰なコレステロールの供給は有害である。
LDLの問題点
過剰なLDLは動脈硬化を引き起こすリスクがある。以下が主な問題点である:
- 酸化LDLの生成
LDLが酸化されると、免疫系により異物として認識され、マクロファージに取り込まれる。これにより「泡沫細胞」が形成され、動脈硬化斑を生成する。 - 動脈硬化の促進
LDLの増加は血管内壁にコレステロールが蓄積する原因となり、血流を妨げる。最終的に心筋梗塞や脳梗塞などの深刻な疾患につながる。
LDLを低下させる方法
- 食事療法
- 飽和脂肪酸やトランス脂肪酸の摂取を減らす。
- 食物繊維の豊富な食品(野菜、果物、全粒穀物)を摂取する。
- コレステロールを抑える効果のある植物ステロールを含む食品を摂る。
- 運動
- 定期的な有酸素運動は、LDLコレステロールを低下させる効果がある。
- 薬物療法
- LDL値が高い場合、スタチンなどのコレステロールを低下させる薬が処方される。




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