アルドステロン(aldosterone)は、副腎皮質の球状層から分泌されるステロイドホルモンであり、鉱質コルチコイドの一種である。体内の電解質バランスや水分量を調節し、血圧の維持に重要な役割を果たしている。
主な役割
- ナトリウムの再吸収促進
- アルドステロンは、腎臓の遠位尿細管および集合管の上皮細胞に作用し、ナトリウムイオン(Na+)の再吸収を促進する。
- ナトリウムが体内に保持されることで、血液中の浸透圧が増加し、水の再吸収も促される。
- カリウムの排泄促進
- ナトリウムの再吸収に伴い、カリウムイオン(K+)が尿中へ排泄される。
- これにより血中カリウム濃度が調節される。
- 水の保持と血圧上昇
- ナトリウムと水の再吸収が進むことで、血液量が増加し、結果として血圧が上昇する。
分泌調節
アルドステロンの分泌は主に以下の要因で調節される:
- レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系(RAAS)
- 血圧低下や腎臓での血流量減少が検知されると、腎臓の傍糸球体細胞からレニンが分泌される。
- レニンはアンジオテンシノーゲンをアンジオテンシンIに変換し、さらにアンジオテンシン変換酵素(ACE)によってアンジオテンシンIIに変換される。
- アンジオテンシンIIが副腎皮質に作用し、アルドステロン分泌を刺激する。
- 血中カリウム濃度の上昇
- 血中のカリウム濃度が高くなると、アルドステロン分泌が促進される。
- 副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)
- ACTHも一時的にアルドステロン分泌を刺激するが、主要な調節因子ではない。
関連疾患
- アルドステロン過剰症(原発性アルドステロン症)
- 副腎腺腫や副腎皮質過形成などにより、アルドステロンが過剰に分泌される。
- 高血圧や低カリウム血症を引き起こす。
- アルドステロン欠乏症
- アジソン病などにより、副腎皮質ホルモンの分泌が低下し、アルドステロンも不足する。
- ナトリウム喪失や低血圧、カリウム過剰(高カリウム血症)を引き起こす。
医療への応用
アルドステロンの作用を阻害する薬剤(アルドステロン拮抗薬)は、高血圧や心不全の治療に使用される。代表的な薬剤には、スピロノラクトンやエプレレノン、エサキセレノンがある。




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