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第109回薬剤師国家試験 問314〜315 臨床研究

大学病院で循環器内科を担当している薬剤師が、循環器内科病棟の医師から「糖尿病の治療薬である医薬品A(カプセル剤)が心不全にも効果があるという報告を聞いたので、当院でも効果を検証することを目的として、無作為化二重盲検比較試験を実施したいと考えている。認定臨床研究審査委員会に申請したいので、研究計画書について薬剤師の立場から追加や修正した方が良いところがあるかチェックしてほしい。」と依頼された。研究の概要は以下のとおりである。なお、医薬品Aは日本では心不全の適応はない。

問314(実務)
薬剤師がこの計画を確認し、以下の追加内容を検討した。 計画書に追加記載するのに適切なのはどれか。2選べ。

  1. 服薬遵守率が設定した値より低い場合は、解析から除外すること。
  2. 副作用が発現した場合は、必ず試験を中止すること。
  3. 非介入群の患者には、医薬品Aと併用禁忌の薬剤は使用してもよいこと。
  4. 介入群の患者には、投与するのは医薬品Aであることを説明し、正しく服用させること。
  5. 医薬品Aとプラセボ薬は、外観に差がないカプセルに充てんしたものを使用すること。
解答・解説

解答
15

解説
1 正
臨床試験では、より正確なエビデンスを得るために試験内容を設定し、その内容を満たさない症例については、解析から除外する。服薬遵守率が設定した値より低い場合、正確なエビデンスが得られない可能性があるため、解析から除外する。

2 誤
副作用が生じた場合、継続して試験を行うかについては状況によって異なるため、必ず試験を中止する必要はない。

3 誤
無作為化二重盲検比較試験では、介入群と非介入郡が無作為に選択され、被験者も医療従事者もどの郡が介入群、非介入群であるかわからない状況で試験が行われる。非介入群には、プラセボを投与しているため、医薬品Aと併用禁忌の薬剤を使用しても相互作用を起こすことはない。ただ、非介入群の患者に医薬品Aと併用禁忌の薬剤を使用することで、医療従事者にプラセボを投与していると推察されてしまうため、無作為化二重盲検比較試験では、非介入群の患者に医薬品Aと併用禁忌の薬剤は投与しない。

4 誤
本試験では、無作為化二重盲検比較試験を行なっているため、介入群、非介入群ともに医薬品Aを投与しているか、プラセボを投与しているかについて説明はしない。

5 正
本試験では、無作為化二重盲検比較試験を行なっているため、医薬品Aを投与しているか、プラセボを投与しているかわからないように外観に差がないカプセルに充てんしたものを使用する。

問315(法規・制度・倫理)
この研究は、臨床研究法の臨床研究のうち特定臨床研究に該当する。該当する理由として正しいのはどれか。1つ選べ。

  1. 大学病院で行う研究であるため。
  2. 無作為化二重盲検比較試験であるため。
  3. 医薬品の適応外使用の有効性を検証する研究であるため。
  4. 医師主導で行う研究であるため。
  5. 侵襲を含む研究であるため。
解答・解説

解答
3

解説
本試験は、日本で心不全の適応がない医薬品Aに対する試験であるため、特定臨床研究に該当する。

【試験(研究)の種類と遵守する法律】

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