骨芽細胞は、骨組織の形成を担う細胞であり、骨の成長、修復、リモデリングにおいて重要な役割を果たしている。主に骨基質の産生と鉱物化(石灰化)を行い、骨の強度と形状を維持する。
特徴
- 起源
- 骨芽細胞は、間葉系幹細胞から分化する。
- 骨髄、骨膜、軟骨膜などに存在する間葉系幹細胞が分化して骨芽細胞を形成する。
- 形態
- 多角形または円形の単核細胞で、骨表面に配置される。
- 活性化された骨芽細胞は強い分泌能を有しており、粗面小胞体やゴルジ装置が発達している。
- 分布
- 骨の表面、特に骨の形成が進行中の部位(骨膜や骨端部)に存在する。
働き(骨形成のプロセス)
骨芽細胞の主な役割は、骨基質の産生と鉱物化である。
- 骨基質(有機成分)の産生
- コラーゲン(主にⅠ型コラーゲン)を分泌し、骨の有機成分を形成する。
- この有機マトリックス(骨基質)は「オステオイド」と呼ばれる。
- 鉱物化(石灰化)
- オステオイド内にカルシウムイオンとリン酸イオンを取り込み、ヒドロキシアパタイトとして沈着させる。
- 骨の硬さと強度を生み出す。
- 骨代謝の調節
- 骨芽細胞は、破骨細胞を調節するための分子(RANKL)を分泌する。
- RANKL(Receptor Activator of Nuclear Factor κB Ligand)は破骨細胞の分化と活性を促進する。
- アポトーシスまたは分化
- 活動を終えた骨芽細胞は以下の運命をたどる:
- 骨細胞(Osteocyte)に分化:骨基質内に取り込まれ、骨の内部で感知機能を持つ細胞となる。
- 骨表面の被覆細胞(Bone Lining Cell)になる。
- アポトーシス(プログラム細胞死)を経て消滅する。
- 活動を終えた骨芽細胞は以下の運命をたどる:
調節因子
骨芽細胞の分化と活動は、以下の因子によって制御される:
- ホルモン
- 副甲状腺ホルモン(PTH)
- 一定量では骨形成を促進するが、持続的な高濃度では骨吸収を促進。
- エストロゲン
- 骨芽細胞の活性を促進し、骨代謝のバランスを保つ。
- 成長ホルモン(GH)
- 骨の成長を促進。
- ビタミンD
- 骨芽細胞を活性化し、カルシウム代謝を調整する。
- 副甲状腺ホルモン(PTH)
病態における役割
- 骨粗鬆症
- 骨芽細胞の活性が低下すると骨形成が不十分となり、骨密度が低下する。
- 骨形成不全症
- 骨芽細胞が産生するコラーゲンに異常があることで、骨が脆くなる遺伝性疾患。
治療への応用
骨芽細胞を活性化または保護することは、骨代謝異常の治療において重要なアプローチである。
- 骨粗鬆症治療薬
- テリパラチド(PTH製剤)
- 骨芽細胞の活性を促進し、骨形成を増加させる。
- ビタミンD製剤
- 骨芽細胞の活動をサポートし、カルシウム代謝を改善する。
- テリパラチド(PTH製剤)




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