◉名称、化学構造
一般名:セレコキシブ
商品名:セレコックス
◉分類
非ステロイド性消炎・鎮痛剤(COX-2選択的阻害剤)
◉効能・効果
- 下記疾患並びに症状の消炎・鎮痛
関節リウマチ、変形性関節症、腰痛症、肩関節周囲炎、頸肩腕症候群、腱・腱鞘炎 - 手術後、外傷後並びに抜歯後の消炎・鎮痛
◉薬理作用
シクロオキシゲナーゼ(COX)2を選択的に阻害し、抗炎症作用及び鎮痛作用を示す
・胃及び小腸粘膜障害作用を示さない(ラット)
・血小板凝集抑制作用を示さない
◉使用する際の注意
- 本剤を使用する場合は、有効最小量を可能な限り短期間投与することに留め、長期にわたり漫然と投与しない
- 本剤の投与により、心筋梗塞、脳卒中等の重篤で場合によっては致命的な心血管系血栓塞栓性事象が発現するおそれがあるので、観察を十分に行い、これらの徴候及び症状の発現には十分に注意する
- 国内で患者を対象に実施した臨床試験ではCOX-2に対して選択性の高い本剤と選択性の低い非ステロイド性消炎・鎮痛剤による消化管の副作用発現率に差は認められなかった。特に、消化管障害発生のリスクファクターの高い患者への投与に際しては副作用の発現に十分な観察を行う
- 肝不全、肝炎、AST、ALT、ビリルビン等の上昇、黄疸の発現が報告されているので、定期的に肝機能検査を行うなど観察を十分に行う
- 急性腎障害、間質性腎炎等の重篤な腎障害の発現が報告されているので、定期的に腎機能検査を行うなど観察を十分に行う
- 本剤の投与により、中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)等の重篤で場合によっては致命的な皮膚症状が発現するおそれがあり、多くの場合、これらの事象は投与開始後1カ月以内に発現しているので、治療初期には特に注意する
- 浮動性めまい、回転性めまい、傾眠等が起こることがあるので、自動車の運転等危険を伴う作業に従事する場合には注意させる
◉体内動態
本剤は、主として薬物代謝酵素CYP2C9で代謝される。
また、本剤は CYP2D6の基質ではないが、CYP2D6の阻害作用を有する。
◉相互作用
◉薬物動態学的相互作用の要因
- 本剤は、炭酸リチウムの腎排泄を抑制する
- フルコナゾール、フルバスタチン、ワルファリンのCYP2C9阻害作用により、本剤の血中濃度が上昇する
- 本剤のCYP2D6阻害作用により、パロキセチン、デキストロメトルファンの濃度が上昇する
◉薬力学的相互作用の要因
- NSAIDのCOX阻害作用により、ACE阻害薬、ARB、ループ利尿薬、チアジド系利尿薬の作用が減弱する
- 血小板凝集阻害薬により、NSAIDによる消化管出血を助長する
◉副作用
◉主な副作用
傾眠、腹痛、口内炎、下痢、発疹など
◉重大な副作用[初期症状]
ショック、アナフィラキシー
[ 顔面蒼白、冷汗、立ちくらみ] 消化性潰瘍、消化管出血、消化管穿孔
[腹痛、吐血、下血]心筋梗塞、脳卒中
[前胸部の圧迫感、胸がしめつけられるように痛い、冷汗]心不全、うっ血性心不全
[息切れ、全身のむくみ、咳が出る]中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群、多形紅斑、急性汎発性発疹性膿疱症、剥脱性皮膚炎
[発熱、紅斑、水疱・膿疱・びらん]
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