鉄(Fe:Ferrum)は、周期表の第4周期、第8族に属する金属元素で、原子番号は26である。地球の地殻やコアに豊富に存在し、私たちの日常生活や生物の生命活動にとって欠かせない元素の一つである。鉄はその化学的・物理的性質から、多くの産業用途に使用されるほか、生物の代謝や酸素輸送においても重要な役割を果たす。
1. 鉄の基本的な性質
- 元素記号:Fe
- 原子番号:26
- 原子量:55.845
2. 生体内における鉄の役割
鉄は、生物にとって不可欠な微量元素であり、多くの生理的プロセスに関与している。:
2.1 ヘモグロビンと酸素輸送
- 鉄は赤血球中のヘモグロビンの構成要素で、酸素を肺から全身の組織へ運搬する役割を果たす。
- ヘモグロビンの鉄イオン(Fe2+)が酸素分子と結合し、酸素を効率よく運ぶ。
2.2 酵素の補因子
- 鉄は多くの酵素の補因子として働き、代謝反応やエネルギー産生に寄与する。
- 例:シトクロム(電子伝達系の酵素)やカタラーゼ(過酸化水素の分解を促進)。
2.3 ミオグロビン
- 筋肉組織内の酸素結合タンパク質であるミオグロビンの成分としても機能する。筋肉に酸素を供給し、運動時のエネルギー供給を手助けする。
3. 鉄不足と健康への影響
3.1 鉄欠乏
- 鉄不足は、体内のヘモグロビン量を減少させ、鉄欠乏性貧血を引き起こす。
- 症状:
- 疲労感、めまい、息切れ、皮膚の蒼白など。
3.2 過剰な鉄摂取
- 過剰な鉄は毒性を持ち、鉄過剰症(例:ヘモクロマトーシス)を引き起こすことがある。
- 過剰症の症状:
- 肝臓障害、心臓病、糖尿病など。
4. 鉄を含む食品
鉄は以下の食品に多く含まれる:
- ヘム鉄(吸収されやすい):肉類(特に赤身肉)、レバー、魚介類。
- 非ヘム鉄(吸収率が低い):ほうれん草、大豆製品、ナッツ類、レンズ豆。
- 吸収促進:ビタミンCと一緒に摂取すると非ヘム鉄の吸収が向上する。




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