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胎盤の構造と機能

こんにちは。今回は妊娠生理における最も重要な器官の一つである「胎盤」について学んでいきます。胎盤は母体と胎児をつなぐ“命の架け橋”ともいえる存在です。その構造と機能、さらに「何が胎盤を通過できるのか」まで、国家試験で問われる頻出ポイントを押さえていきましょう。

1. 胎盤とは?

胎盤は、哺乳動物の妊娠中に子宮内で形成される一時的な臓器です。妊娠成立後、母体と胎児の間に形成され、胎児を養い、保護し、老廃物を排出するといった多くの重要な機能を担っています。

2. 胎盤の構造

胎盤は、大きく胎児側(胎児部)と母体側(母体部)に分かれています。

  • 胎児部には、臍帯へとつながる絨毛(じゅうもう)構造が広がり、ここを通じて血液交換が行われます。

  • 母体部は、母体の子宮内膜が変化した「脱落膜」に相当し、らせん動脈から母体血が流入し、胎児の絨毛膜と間接的に接触します。

なお、母体と胎児の血液は直接は混ざらず、絨毛膜というバリアを介して物質のやりとりが行われます。

3. 胎盤の機能

胎盤には次のような多彩な機能があります

① 物質の交換

  • 酸素、栄養(グルコース・アミノ酸・脂質)、ビタミン、ホルモンなどが母体から胎児へ供給

  • 胎児が産生した老廃物(尿素、二酸化炭素など)は母体側へ排出

② バリア機能

  • 母体と胎児の血液が直接混ざらないように免疫的な仕切りを果たす

  • 一部の異物(病原体や薬物など)も遮断されるが、すべてではない

③ ホルモン産生

  • 妊娠維持に必要なホルモン(hCG、エストロゲン、プロゲステロンなど)を産生し、内分泌臓器としても機能する

4. 胎盤を通過する抗体と薬物

抗体:IgGのみが通過できる

胎盤を通過できる代表的な抗体は「IgG」のみです。IgGは母体から胎児へと移行し、生まれたばかりの新生児に一時的な免疫(受動免疫)を与えます。たとえば、母体がもつ麻疹や風疹の抗体が胎児に移行し、生後数ヶ月はそれらの感染症から守られます。一方で、IgMやIgAなどの他の抗体は胎盤を通過することができません。

胎盤を通過する薬物

一部の抗体医薬品(モノクローナル抗体など)分子量が小さく、脂溶性の薬物は胎盤を通過します。

5. 国家試験で狙われやすいポイント

内容 要点
胎盤の機能 酸素・栄養の供給、老廃物排出、ホルモン産生、バリア機能
血液の接触 母体と胎児の血液は混ざらない
通過する抗体 IgGのみ通過可能(IgM、IgAは不可)
薬物通過 分子量が小さく、脂溶性のものが通過しやすい

まとめ

胎盤は単なる物質の通路ではなく、生命維持・防御・内分泌を兼ね備えた多機能臓器です。母体から胎児への影響を考えるうえで、胎盤がどんなものを通し、どんなものを遮るのかを理解することは、薬理学・病態学・母子保健の基礎となります。

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