こんにちは。今回は「細胞周期(cell cycle)」について学んでいきましょう。
私たちの体を構成する細胞は、必要に応じて分裂し、増殖することで体の成長や修復を担っています。でも、細胞がむやみに増え続けたらどうなるでしょう? そうです、「がん」のような異常増殖につながる可能性があるのです。
だからこそ、細胞は「今、本当に分裂してもいいのか?」という判断を慎重に行っているわけですね。
細胞周期とは?
細胞が分裂して娘細胞を生み出すまでの一連の流れを「細胞周期(cell cycle)」といいます。これは以下のような段階に分かれます。
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G₀期:分裂をしない静止状態。神経細胞などは一生ここに留まることも。
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G₁期:DNA合成に向けての準備段階(細胞の成長期)。
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S期:DNAの複製が行われる、合成期。
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G₂期:複製が終わったDNAをチェックし、分裂の準備を整える時期。
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M期:実際に細胞分裂(有糸分裂)が行われる段階。
つまり、G₁→S→G₂→Mと進んで1サイクルで、母細胞から2つの娘細胞が誕生するという仕組みになっています。
細胞周期の調節には「サイクリン」と「CDK」が関わる
細胞がこの周期を正しく進むためには、「サイクリン依存性キナーゼ(CDK)」と「サイクリン」という調節タンパク質のコンビネーションが不可欠です。
CDKは単体では不活性ですが、サイクリンと結合することで活性化し、次の段階に進むためのリン酸化シグナルを細胞内に送る役割を果たします。
また、サイクリンインヒビターという抑制タンパク質も存在し、細胞に問題があるときには進行を止める働きをします。
チェックポイントとは?
ここで登場するのが「チェックポイント(checkpoint)」という仕組みです。
これは、DNAに損傷がないか?、複製は正確に完了したか?といった項目を確認し、問題があれば細胞周期の進行を止める“安全装置”のようなものです。
G₁/Sチェックポイント(DNA複製の開始前)
最初の重要なチェックポイントは、G₁からS期に進む前のタイミングです。
このとき細胞は、DNAに損傷がないか?、細胞が十分に大きく成長しているか?、**栄養状態は適切か?**などをチェックします。
もしDNAに異常があると判断された場合は、細胞はS期への進行を止め、G₁期で足踏みします。
DNA損傷による進行抑制のメカニズム
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DNA損傷が検出されると、p53タンパク質が活性化されます。
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p53はp21という阻害タンパク質の産生を促し、D-CDK4複合体の活性が抑制されます。
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その結果、Rbタンパク質がリン酸化されず、E2F転写因子が解放されません。
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S期に必要な遺伝子の発現が始まらず、S期へ進行できないのです。
このように、p53→p21→CDK抑制→Rb維持→S期停止という流れで、細胞は自らの安全性を守っているのですね。
G₂/Mチェックポイント(有糸分裂の直前)
もう一つの大きな関門が、G₂からM期へ進む前のチェックポイントです。
ここでは、DNAの複製がきちんと終わっているか?、**複製されたDNAに傷や不備はないか?**が厳しくチェックされます。
もし複製が不完全だったり、損傷が見つかれば、細胞はM期へ進むことをストップします。これにより、不完全なゲノムを持った細胞が分裂してしまうのを防ぐことができるのです。
✅まとめ:細胞は、自らの分裂に慎重すぎるほど慎重
細胞周期は、単なる分裂の流れではなく、「本当に分裂してもよい状態か?」を常に評価しながら進行しています。
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チェックポイントは、細胞の“品質検査”
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DNA損傷があるときは、p53を中心とした抑制経路が発動
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分裂の開始(M期)にも、万全な準備が整っていることが求められる
このように、細胞が安全に生き延びるための仕組みが随所に組み込まれているということを、ぜひ覚えておいてください。
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