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第110回薬剤師国家試験 問331

68歳男性。身長174cm、体重93kg。既往歴として高血圧、脂質異常症、心房細動。薬物アレルギー歴無し。12時頃、ゴルフ中に突然倒れた。救急隊到着時、本人から発語は見られていたが、次第に会話が困難になった。救急搬送時(14)、頭部MRIで左中大動脈領域に梗塞巣を認め、各種所見から心原性脳梗塞と診断された。また大動脈解離、急性膵炎は否定され、その他心弁膜症、臓器出血の合併は認められなかった。

救急担当薬剤師が今後の治療について医師との共有事項として適切なのはどれか。2選べ。

  1. ヘパリンナトリウムの静脈内投与による急性期治療
  2. 予後改善効果を目的とした急性期におけるエダラボン投与
  3. 脳浮腫が出現した場合のトルバプタン投与
  4. 発症早期における新たな血栓防止のための抗血小板療法の開始
  5. 急性期におけるDOAC(直接阻害型経口抗凝固薬)の使用
解答・解説

解答
125(複数の正解があるため、いずれか2つ選択で正解とする)

解説
1 正
ヘパリンは、急性期の脳梗塞において、脳塞栓症や血栓形成の進展を防ぐ目的で使用される。特に心原性脳塞栓症では再塞栓のリスクが高いため、発症からの経過時間や出血リスクを考慮したうえで、ヘパリンなどの抗凝固薬による急性期治療が推奨される。

2 正
エダラボンは、脳梗塞の急性期においてフリーラジカルを除去し、神経細胞死を抑制する作用があり、日常生活動作(ADL)の改善に寄与する。発症後24時間以内に投与が開始される必要があるが、本症例は発症から搬送まで2時間以内であるため、エダラボンを投与することは適切である。

3 誤
トルバプタンは、バソプレシンV2受容体拮抗薬であり、心不全や肝硬変における体液貯留の治療に用いられる。脳浮腫に対してはマンニトールなど浸透圧利尿薬が用いられ、トルバプタンは適応外であり、電解質異常や血栓塞栓のリスクがあるため不適切である。

4 誤
心原性脳塞栓症では、血栓の主因が心房内で形成されたフィブリンリッチな赤色血栓であり、抗凝固薬の使用が原則である。抗血小板薬はアテローム血栓性脳梗塞などが適応であり、心房細動に起因する脳梗塞に対しては用いられない。

5 正
 DOAC(直接経口抗凝固薬:ダビガトラン、アピキサバン、リバーロキサバン、エドキサバン)は、心房細動に伴う心原性脳塞栓症の再発予防に広く用いられている。近年では、急性期脳梗塞においても早期にDOACを導入することが推奨されることがある。

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