炎症に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 発赤は、炎症の兆候の一つで、赤血球が血管外に浸潤する現象である。
- 補体成分のC3bとC5bは、肥満細胞からヒスタミンを遊離させるアナフィラトキシンである。
- P-セレクチンは、血管内皮細胞の表面に発現し、白血球の炎症部位への動員に関わる。
- Toll樣受容体は、主に炎症後期に線維芽細胞の活性化に関わり組織修復を促す。
- 炎症時には、肝臓でのC反応性タンパク質の産生が亢進する。
炎症に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
解答
3、5
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解説
1 誤
炎症の兆候には、熱感、発赤・紅斑、腫脹、疼痛、機能障害があり、発赤は、血管が拡張し、局所血流が増加する現象である。
2 誤
補体成分のC3a、C4a、C5aは、アナフィラトキシンであり、下記の作用を示す。
・好塩基球や肥満細胞からの脱顆粒を誘導する
・血管透過性、平滑筋収縮反応を亢進する
・好中球に対する走化性を示し、活性酸素産生を亢進する(C5a)
・血管内皮の細胞接着分子の発現を高め、白血球の血管外遊走を促進する(C5a)
3 正
P-セレクチンは、血管内皮細胞に発現しており、白血球などの細胞との相互作用に関与する。白血球は、P-セクレチンにより認識され、血管内皮細胞に接着し、血管壁を通過して炎症部位に移動することが可能となる。
4 誤
Toll様受容体(TRL)は、マクロファージ、好中球、樹状細胞などに存在し、パターン認識受容体として働く。TRLに標的分子が結合すると、サイトカイン産生が促進され炎症が誘発される。
5 正
C反応性タンパク質(CRP)は、炎症や組織損傷などの炎症性状況において肝臓により合成されるタンパク質であり、臨床的な炎症反応のバイオマーカーとして用いられている。
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