1 意識障害
【概要】
意識とは、覚醒状態にありながら自己と外界を適切に認識している状態を指す。
この意識レベルが低下した状態を意識障害といい、臨床的には清明度の低下・傾眠・せん妄・昏迷・昏睡などで判断される。意識障害の原因には、脳の器質的障害や、全身性疾患に伴う二次的な脳機能障害などがある。
2 失神
【概要】
失神とは、一過性の脳血流の低下により生じる意識消失状態であり、通常は短時間で自然に回復する。原因は多岐にわたり、起立や精神的ストレス、心疾患などが関与する場合がある。
3 知覚障害
【概要】
知覚とは、外界からの刺激や体内の状況変化を感知する感覚機能である。皮膚・筋・腱・関節などからの情報を受け取る「一般体性感覚」、視覚・聴覚・平衡感覚などの「特殊感覚」、内臓からの刺激を受け取る「内臓感覚」などが存在する。これらの知覚情報は、上行性感覚経路を経て大脳に伝達されるが、その経路のいずれかに障害が生じた場合「知覚障害」となる。
4 運動障害
【概要】
運動障害とは、運動中枢から末梢神経を経て筋肉へと伝わる経路のどこかに障害が生じ、意図した運動が遂行できなくなる状態を指す。
【分類と特徴・原因】
運動障害は、筋力の低下によるもの、不随意運動によるもの、運動の協調不全によるものの3つに大別される。
5 視力障害
【概要】
視力障害とは、角膜・水晶体・網膜・視神経・視覚中枢に至る視覚伝導経路のどこかに異常が生じることで、視覚情報の処理に支障が出る状態を指す。
通常、光は角膜を通過し、水晶体で屈折されたのちに網膜へ到達し、視神経を介して後頭葉の視覚中枢に伝えられて像が認識される。この過程のいずれかに障害が生じることで、以下のような症状が現れる
・全体的にかすんで見える
・ものが小さく歪んで見える
・視野の一部にカーテンがかかったように感じる
・夕方以降に視力が低下する
【分類と特徴・原因】
視力障害は、主に眼の調節機能の異常や眼球各部位の器質的異常により生じる。また、その他の原因として脳の病変が関連することもある。
6 聴力障害(難聴)
【概要】
何らかの要因により聴力が低下し、音を聞き取りにくくなった状態を「難聴」と呼ぶ。
【分類と原因】
難聴は、障害される部位によって以下の3つに分類される
・伝音性難聴:外耳〜中耳の音の伝わりに障害
・感音性難聴:内耳や聴神経、聴覚中枢などの障害
・混合性難聴:上記2つの要素が合併したもの
7 けいれん
【概要】
痙攣とは、意思とは無関係に起こる骨格筋の突発的かつ不随意な収縮を指す。
発作は全身性に現れることもあれば、局所的に限局して生じる場合もある。
8 記憶障害
【概要】
記憶とは、新たな情報を脳が取り込み、保持・再生する一連の過程である。記憶障害とは、過去の体験を保持したり、現在においてその内容を再現する能力が低下した状態を指す。
【分類と原因】
記憶は、以下のように分類される
・過去の出来事に関する記憶
・最近経験した出来事に関する記憶
・新しい情報を覚える能力(記銘力)
これらの記憶機能が障害される要因には、以下のようなものがある
・アルコール中毒による一過性の記憶喪失
・高齢化に伴う脳の萎縮や血流障害
・脳腫瘍による圧迫
・中枢神経の変性疾患 など
代表的な疾患としては、以下が挙げられる
・アルツハイマー型認知症
・脳血管性認知症
・レビー小体型認知症
これらの疾患はすべて記憶障害を呈するが、進行の仕方や認知機能の障害パターンが異なるという特徴がある。
9 しびれ
【概要】
しびれとは、知覚神経の圧迫や障害によって起こる感覚の脱失や異常感覚のことである。
患者によっては「ジンジン」「ピリピリ」などといった表現で訴えることがあり、刺激に対して異常な感覚を示す場合と、刺激がないにもかかわらず自発的に異常を感じる場合がある。
10 神経痛
【概要】
神経痛とは、末梢または中枢神経の疼痛知覚に関わる経路が障害されることで生じる、異常な痛みの知覚(異常感覚)を指す。一次求心路の障害によって発症するものには、糖尿病性神経障害や帯状疱疹後神経痛などが代表的である。
また、痛覚が過敏となることで、本来痛みを感じないような軽微な刺激にも強い痛みを訴える状態があり、これをアロディニア(Allodynia)という。















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