人間の睡眠は、浅い眠りと深い眠りが交互に訪れる。この周期はおおよそ90分ごとに繰り返され、脳と体を効率よく回復させている。
2つの睡眠タイプ
睡眠は、大きくレム睡眠とノンレム睡眠に分けられる。
レム睡眠
脳が比較的活発に働いている状態で、夢を見ることが多い。眼球が素早く動き、筋肉は弛緩して体はほぼ動かない。記憶の整理や学習内容の定着に関わるとされる。
ノンレム睡眠
脳の活動が低下し、深い休息状態となる。特に深い段階ではδ波が優勢になり、成長ホルモンの分泌や組織修復が活発に行われる。寝返りなどの身体の動きはこの段階で生じやすい。
周期的な変化
入眠するとまずノンレム睡眠が訪れ、浅い段階から徐々に深い段階へ移行する。その後、レム睡眠に切り替わり、再びノンレム睡眠へと戻る。このサイクルは夜間に4〜6回ほど繰り返され、朝方にかけてレム睡眠の割合が増えていく。
レム睡眠
レム睡眠は、身体が深く休んでいる一方で、脳は覚醒に近い活動をしている状態である。名前の由来は「Rapid Eye Movement(急速眼球運動)」で、この時期には閉じたまぶたの下で眼球が素早く動く。脳波は低振幅の速波で、覚醒時に似たパターンを示す。呼吸や脈拍は変動し、自律神経活動も揺らぎやすく、夢を見るのはこのタイミングが多いとされている。
薬物の影響としては、ベンゾジアゼピン系催眠薬は全体の睡眠時間や軽い睡眠段階(ノンレム睡眠第2相)を延長するが、レム睡眠への影響は比較的少ないとされている。一方、バルビツール酸系催眠薬は、レム睡眠の割合を減らす傾向があり、この減少は翌朝の眠気や倦怠感につながる可能性がある。
ノンレム睡眠
ノンレム睡眠は脳活動が低下し、全睡眠時間の7〜8割を占める。英語では「Slow Wave Sleep」とも呼ばれ、脳波の周波数が低く、徐々に振幅が大きくなっていく特徴がある。筋肉は一定の緊張を保ち、寝返りなども可能な状態である。この睡眠はさらに4つの段階に分類され、段階が進むごとに眠りは深くなる。
| 第1相(入眠期) | 覚醒時のβ波からα波に移行し、さらに低振幅のθ波が出現。 |
| 第2相(軽睡眠期) | θ波に加えて睡眠紡錘波(spindle)が現れ、外界からの刺激に対する反応が減少。 |
| 第3相(中等度睡眠期) | δ波が出現し、脳はさらに静まりかえる。 |
| 第4相(深睡眠期) | 大振幅のδ波が持続し、外的刺激への反応は最も鈍くなる。 |







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