― エネルギーの出入りと内部エネルギーの関係 ―
1. 熱力学第一法則の基本
熱力学第一法則とは、エネルギー保存の法則を熱力学に応用したものです。
「エネルギーは形を変えるだけで、勝手に消えたり現れたりはしない」という原則に基づいています。
特に、閉鎖系(物質の出入りがない系)においては、
「系の内部エネルギーの変化(ΔU)は、熱(q)と仕事(w)の和で決まる」
という形で表現されます。
ΔU=q+w
-
ΔU:系の内部エネルギーの変化
-
q:熱(外界から系へ移動する熱)
-
w:仕事(外界との間で行われるエネルギーのやりとり)
2. 熱と仕事の意味
🔸 熱(q)とは?
熱は、温度差によりエネルギーが移動する現象です。
・外部から熱を受け取る場合 → qは正
・外部に熱を放出する場合→ qは負
🔸 仕事(w)とは?
仕事は、外部から力を受けて系が動かされることによって発生するエネルギーです。
たとえば、ピストンが押されて体積が変化すると、エネルギーのやりとりが生じます。
仕事の量は以下のように表せます
w=-p・ΔV
-
p:圧力
-
ΔV:体積変化(Vの増加ならΔV > 0、減少ならΔV < 0)
この符号(マイナス)が意味するのは:
-
体積が減る(圧縮)とき → ΔVが負 → wは正(外部からエネルギーを受け取る)
-
体積が増える(膨張)とき → ΔVが正 → wは負(外部にエネルギーを与える)
3. エネルギー変化の具体例
以下のような場面をイメージしてみましょう。
◆ 系が外部から圧縮される場合
-
ピストンが押され、体積が小さくなる
-
外部から仕事(エネルギー)が加えられる → wは正
-
熱も加えられれば、qも正
-
結果として、内部エネルギーΔUが増加
◆ 系が膨張する場合:
-
系の体積が増える(ピストンが押し返される)
-
系が外に仕事をする → wは負
-
熱が外に逃げる場合、qも負
-
結果として、内部エネルギーΔUが減少
4. 符号の整理(必ず覚えておきたい)
| 状況 | 熱(q) | 仕事(w) |
|---|---|---|
| 吸熱(外から熱を受け取る) | + | 変化せず |
| 発熱(外に熱を放出する) | - | 変化せず |
| 圧縮(外から力を受ける) | 変化せず | + |
| 膨張(外に向かって膨らむ) | 変化せず | - |
💡まとめ
熱力学第一法則は、
「熱と仕事によって系のエネルギーは増えたり減ったりする」
という自然界の基本ルールです。
エネルギーの出入りを正しく理解することが、化学・物理・薬学すべての基盤になります。
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