浸透圧ポンプ型システムは、浸透圧を利用して薬物を制御放出する経口製剤の一種である。外部の水分が徐々に製剤内に浸透することで一定の速度で薬物を放出する設計となっており、持続性(徐放性)と高いバイオアベイラビリティを実現する。
1. 基本構造と原理
浸透圧ポンプ型システムは、以下のような構造を持つ。
① コア(薬物+浸透圧発生剤)
- 薬物層(有効成分)
- 浸透圧発生剤(塩類など、外部から水を引き込む成分)
② 半透膜
- 水のみ透過可能な膜
- 外部の水が膜を通過し、内部の浸透圧発生剤を溶解する。
③ 排出口(オリフィス)
- 水がコアに浸透することで膨張圧が発生し、薬物がオリフィス(小孔)から押し出される。
2. 放出メカニズム
- 水が半透膜を通過し、製剤内部の浸透圧発生剤を溶解
- 内部圧力が高まり、薬物がオリフィスから押し出される
- 外部環境に影響されず、一定の速度で薬物が放出
この機構により、pHや酵素の影響を受けずに薬物が一定量ずつ放出されるため、安定した血中濃度を維持することが可能となる。
3. 浸透圧ポンプ型システムの種類
① OROS(Osmotic-controlled Release Oral delivery System)
- 最も代表的なシステム
- 例:メチルフェニデート徐放剤(ADHD治療薬)
4. 特徴と利点
◎ メリット
- 一定の薬物放出速度(血中濃度を安定化)
- pHや食事の影響を受けにくい(吸収のバラつきを低減)
- 服薬回数の減少(コンプライアンス向上)
△ デメリット
- 複雑な製造工程(コストが高い)
- オリフィスの詰まりによる放出異常
- 消化管通過時間に依存するため、一部の患者では効果に個人差が生じる可能性




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