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正常細胞とがん細胞

こんにちは。今回は、「がん細胞とは何か?」というテーマでお話ししていきます。

がん細胞は「怖いもの」という印象が強いですが、実はその発生の裏側には正常な細胞のコントロールシステムの破綻が隠れています。

それでは、どのようにして正常な細胞が“がん化”するのか、順を追って見ていきましょう。

🔎正常細胞とがん細胞の違い

まず、正常な細胞はどうやって増えているのでしょうか?

それは、必要なときにだけ細胞周期が進行し、接触阻止によって増殖が止まるという、きわめて厳密な調整のもとに行われています。勝手に分裂し続けるようなことはありません。

それに対して、腫瘍細胞(特にがん細胞)は、このコントロールを失い、自律的に増殖を続ける細胞です。

特に「がん細胞」とは、腫瘍細胞のなかでも、急速に増殖し、周囲に“しみ出すように侵潤”し、他の組織に“転移”する能力をもった細胞を指します。健康な組織にとっては、まさに脅威となる存在です。

がん細胞の特徴:「侵潤」と「転移」

がん細胞には2つの大きな特徴があります。

  1. 侵潤:周囲の組織ににじみ出るように広がっていく性質です。境界が曖昧で、組織構造を破壊しながら拡大します。

  2. 転移:がん細胞がもともとの組織から血液やリンパを介して別の場所へ移動し、そこで新たな腫瘍を形成する能力です。

転移の経路には、血行性転移(血流に乗って)リンパ行性転移(リンパ管を通って)があります。

これらの性質があるため、がんは発見が遅れると全身に広がりやすいのです。

🧬細胞周期の異常とがんの発生

細胞分裂は、G₁期→S期→G₂期→M期という流れで行われますが、各段階にはチェックポイントが設けられています。

ここでDNA損傷や異常が発見されれば、p53タンパク質の働きによって細胞周期は停止し、修復ができなければアポトーシス(細胞死)が誘導されます。

しかし、このチェックポイントが壊れるとどうなるでしょう?

DNAに異常があっても細胞周期が止まらず、異常細胞が次々と増殖してしまいます。その結果、がん細胞が生まれるのです。

🧪がん細胞のがん化:遺伝子レベルで起きていること

がん細胞では、DNAの塩基配列やクロマチン構造に異常が生じています。
たとえば:

  • がん抑制遺伝子p53の機能喪失

  • テロメアーゼ活性の増加による分裂回数の無限化

  • アポトーシスを回避するシグナル耐性

などが挙げられます。こうした変化により、がん細胞は不死化し、暴走するような増殖を始めるのです。

がん化のプロセス(3段階)

がん化は、以下の3段階に分けて理解すると整理しやすいです。

  1. イニシエーション(開始)
     → 遺伝子の変異が生じる(例:発がん性物質による損傷)

  2. プロモーション(促進)
     → ダメージを受けた細胞が無秩序に増殖しはじめる

  3. プログレッション(進展)
     → 腫瘍の性質が悪化し、浸潤・転移能力を獲得して悪性腫瘍化

この一連の流れを多段階発がんと呼びます。

まとめ:がん細胞は“制御を失った細胞”

  • 正常細胞は分裂に厳格な制御がある

  • がん細胞は制御から外れ、自律的に増殖・浸潤・転移する

  • チェックポイント異常やがん遺伝子・がん抑制遺伝子の異常が原因

  • 最終的に悪性腫瘍となり、生命活動を脅かす存在になる

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