MENU
YAKUZERO オンライン授業コース クリック

抗精神病薬に伴う副作用

抗精神病薬は統合失調症などの治療に欠かせない薬である一方、多様な副作用を引き起こす可能性がある。副作用の背景には、ドパミン受容体だけでなく、セロトニン・ヒスタミン・ムスカリン・α受容体など、複数の神経伝達物質系への作用が関わっている。ここでは、臨床で特に重要視される副作用を整理する。

神経症状

錐体外路症状(EPS

抗精神病薬による D₂受容体遮断 が黒質線条体系に及ぶことで、パーキンソン病様の症状が出現する。
振戦や筋強剛、動作緩慢などが典型的であり、これを薬剤性パーキンソン症候群と呼ぶ。治療には中枢性抗コリン薬(トリヘキシフェニジルなど)が有効である。

悪性症候群

非常に稀だが致死的となりうる重大な副作用である。高熱、筋強直、意識障害、自律神経症状を呈し、血中CK値の上昇が特徴的である。
治療は速やかな薬剤中止とダントロレン投与が基本である。発症メカニズムには急激なドパミン遮断が関与すると考えられている。

遅発性ジスキネジア

長期投与後に出現する不随意運動で、口や舌、顔面に常同行動が現れる。慢性化しやすく、減薬や中止が契機となることもある。
これは受容体の感受性亢進(supersensitivity)が原因とされる。

ジストニアとアカシジア

急性の筋痙縮や不随意運動を示すのが急性ジストニアであり、特に若年男性で発症しやすい。一方、アカシジアは「静かに座っていられない」という強い落ち着かなさを伴い、患者のQOLを著しく損なうため早期に気づくことが重要である。

自律神経系への影響

抗精神病薬の多くは α受容体やムスカリン受容体 にも作用する。これにより、起立性低血圧、反射性頻脈、口渇、便秘、排尿障害といった症状が出現する。
これらは薬剤の種類によって強弱があるが、特にフェノチアジン系で顕著に見られる。

内分泌系の異常

ドパミンは下垂体からのプロラクチン分泌を抑制しているため、D₂受容体遮断により 高プロラクチン血症 が起こりやすい。
これに伴い乳汁分泌、無月経、女性化乳房などの症状が出る。
一方、非定型抗精神病薬では代謝異常が問題となりやすく、高血糖や糖尿病、肥満といった副作用が報告されている。オランザピンやクロザピンは特に体重増加を招きやすいため、血糖や体重管理が不可欠である。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする