小脳は、脳の後部に位置する構造で、主に運動の制御やバランス、姿勢の維持を司る重要な領域である。
小脳の位置と構造
- 位置
- 小脳は、後頭葉の下部、脳幹(橋と延髄)の後ろに位置し、頭蓋窩(Posterior Cranial Fossa)に収まる。
- 第四脳室を挟んで脳幹と接している。
- 構造
- 小脳は左右対称の半球と、中央部にある虫部(Vermis)から構成される。
- 表面は多数の細かい溝(葉)があり、内部は灰白質(小脳皮質)と白質(小脳核)に分かれる。
小脳の機能
- 運動の調整
- 小脳は、大脳皮質や脊髄からの運動関連情報を受け取り、筋肉の協調的な動きや正確な運動を実現する。
- 運動のタイミング、強度、方向性を調整する役割を果たす。
- 姿勢とバランスの維持
- 小脳は、前庭系(内耳の平衡感覚器)や視覚、体性感覚からの情報を統合し、姿勢や体のバランスを維持する。
- 重力に対抗した姿勢の安定化に重要。
- 運動学習
- 小脳は、新しい運動技能を学習する過程で重要な役割を果たす。
- 繰り返しの練習を通じて運動の精度を向上させる(例:ピアノ演奏やスポーツ技能の習得)
小脳と神経経路
- 小脳は、入力経路と出力経路を介して大脳や脊髄と密接に連携している。
- 入力
- 大脳皮質、脊髄、前庭系から感覚情報や運動計画情報を受け取る。
- 情報は、橋やオリーブ核などの中継部を経由して小脳に送られる。
- 出力
- 小脳核を介して、大脳皮質や脊髄に運動指令を送り、調整された運動を実行する。
- 入力
小脳と関連する疾患
- 小脳失調(Cerebellar Ataxia)
- 小脳の損傷により、運動がスムーズに行えなくなる疾患群。
- 主な症状:
- 運動失調(ぎこちない動作)
- 平衡感覚の喪失
- 言語障害(構音障害)
- 筋肉の緊張低下(低緊張)
- 脳卒中
- 小脳の血管が閉塞または出血すると、小脳梗塞や小脳出血が発生する。
- 症状は、激しいめまい、吐き気、運動失調など。
小脳の臨床的意義
- 小脳は運動制御やバランス維持に関する中枢であり、その障害は日常生活の基本的な動作に深刻な影響を与える。
- 小脳疾患の診断には、MRIやCTスキャンが用いられることが多い。




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