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効果の比較と固有活性

こんにちは。本講義では、薬がどのように「作用の強さ(反応)」を生み出すかに関する重要な概念である内活性(intrinsic activity)および固有活性について解説していきます。

1. 内活性とは?~薬の「やる気」の強さ~

薬が受容体に結合した後、どれくらいの生物学的反応を引き起こすか。
この「反応の強さ」を決定する要素が内活性(intrinsic activity)です。

  • 内活性 = 最大反応の出やすさ

  • 最大反応を「1」と定義し、どれくらいの割合で作用が生じるかを0〜1の値で表現します。

🔍 例

  • 内活性=1 → 強力に反応を起こす(完全アゴニスト)

  • 内活性=0.5 → 反応は起こすが弱い(部分アゴニスト)

  • 内活性=0 → 反応を起こさない(拮抗薬)

  • 内活性<0 → 生理的活性を下げる(インバースアゴニスト)

2. アゴニストの種類と反応曲線

完全アゴニスト(Full Agonist)

  • 内活性:1

  • 生体物質と同等の最大反応を引き起こす。

  • 例:アドレナリン、モルヒネなど

部分アゴニスト(Partial Agonist)

  • 内活性:0 < α < 1

  • 最大反応は起こせないが、ある程度の活性は示す。

  • 特徴:拮抗薬としても働きうる(競合状態で他のアゴニストの作用を弱める)

インバースアゴニスト(逆アゴニスト)

  • 内活性:負の値(例:−0.5)

  • 受容体が持つ“恒常的活性(constituent activity)”を抑える薬。

  • 例:抗ヒスタミン薬の一部(H₁受容体拮抗薬)

3. Ariënsの薬物受容体機構モデル

Ariënsは、薬物と受容体の反応を「受容体との結合+内活性」という2段階で捉えるモデルを提唱しました。

モデルのポイント:

固有活性 特徴
1.0 最大反応あり
0.5 弱い反応
0.0 無反応

4. 競合的拮抗薬との関係

  • 部分アゴニストは、完全アゴニストの代わりに受容体に結合すると、反応が弱くなる。

  • このため、部分アゴニストは“競合的拮抗薬”としても作用することがあります。

まとめ:作用の「強さ」は結合だけでは決まらない

薬の反応を理解するためには、

  • 結合の強さ(親和性)

  • 結合後の反応の強さ(内活性)
    の両方を考える必要があります。

また、「作用を起こす」だけでなく、「作用を弱める・逆にする」という観点も、薬理作用を多面的に理解する上で非常に重要です。

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