分散力とは、分子間に働く弱い引力の一種で、ロンドン分散力とも呼ばれる。分子が一時的な瞬間双極子を形成することによって生じる力であり、極性の有無にかかわらずすべての分子間に働く。
1. 分散力の発生メカニズム
- 原子や分子内の電子は常に動いており、特定の瞬間において電子が偏って配置されることがある。
- この電子の偏りによって一時的な瞬間双極子が形成される。
- 瞬間双極子が隣接する分子に影響を与え、その分子に誘導双極子を生じさせる。
- 瞬間双極子と誘導双極子の間に弱い引力(分散力)が生じる。
2. 特徴
- 普遍性:
- 分散力はすべての分子間に働く力であり、極性分子・非極性分子を問わず存在する。
- 強さ:
- 分散力は他の分子間力(双極子-双極子相互作用や水素結合)に比べて弱い。
- 分子が大きくなる(電子が多い)ほど強くなる。
- 距離依存性:
- 分散力は、分子間の距離が近いほど強く働き、距離の6乗に反比例する。
3. 分散力の影響
- 物質の物理的性質:
- 分散力は沸点や融点、昇華点などに影響を与える。
- 分散力が大きい分子ほど、沸点や融点が高くなる。
- 例: 分子量が増加するほど分散力が強まり、アルカンの沸点は高くなる。
- 分散力は沸点や融点、昇華点などに影響を与える。
- 分子の大きさ・形状:
- 分子が大きいほど電子が多くなり、瞬間双極子の振幅が大きくなるため分散力も強くなる。
- 分子が細長い形状をしている場合、分子間接触面積が大きくなり、分散力が強くなる。
4. 他の分子間力との比較
- 双極子-双極子相互作用:
- 極性分子間で働く力で、分散力よりも強い。
- 水素結合:
- 特定の条件下で生じる非常に強い分子間力。
- 分散力は、これらの力に比べて弱いが、非極性分子では主要な分子間力となる。




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