ラウールの法則(Raoult’s Law)は、溶液の蒸気圧に関する法則であり、溶媒と溶質が理想的な挙動を示す場合に適用される。
ラウールの法則の定義
溶液の蒸気圧は、純溶媒の蒸気圧と溶媒のモル分率に比例するという法則である。
数学的には次のように表される:溶液の蒸気圧=純溶媒の蒸気圧×モル分率
ラウールの法則の意味
- 溶液中に非揮発性の溶質を加えると、溶媒の蒸気圧は低下する。これは、溶質粒子が溶媒分子の表面積を占有するため、溶媒分子が蒸発する確率が減少するためである。
- 溶液中の溶媒のモル分率が低くなるほど、蒸気圧の低下が顕著になる。
ラウールの法則の適用範囲
- 理想溶液の場合に厳密に適用される。
- 理想溶液では、溶媒と溶質間の分子間相互作用が、溶媒-溶媒および溶質-溶質間の相互作用と等しい。
- 実際の溶液では、溶質と溶媒間の相互作用が異なる場合、ラウールの法則から外れることがある。
- 相互作用が強い場合:蒸気圧がラウールの法則の予測値より低くなる(負偏差)。
- 相互作用が弱い場合:蒸気圧がラウールの法則の予測値より高くなる(正偏差)。
応用例
- 蒸留:揮発性成分の分離にラウールの法則が用いられる。特に、混合溶液の蒸気圧の計算に重要である。
- 溶液特性の理解:蒸気圧降下を利用して、溶質の性質や濃度を推定できる。
- 束一的性質:ラウールの法則は、蒸気圧降下や沸点上昇などの束一的性質の基礎理論を提供する。
ラウールの法則は、溶液の熱力学的性質を理解する上で基本的かつ重要な法則である。




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