ペプシン(Pepsin)は、胃で分泌される消化酵素で、主にたんぱく質を分解する役割を有している。ペプシンは、消化過程において胃内で分泌され、食物中のたんぱく質をアミノ酸や小さなペプチドに分解する。これにより、栄養素の吸収を助け、消化が効率的に進行する。
ペプシンの特徴と機能
- 分泌場所
ペプシンは、胃の主細胞(パリエタル細胞)で分泌される前駆体である「ペプシノーゲン」として存在し、胃内の酸性環境(pH 1.5〜3)によって活性化される。この酸性環境により、ペプシノーゲンはペプシンに変換され、その後、活性化したペプシンが食物中のたんぱく質を分解する。 - 作用メカニズム
ペプシンは、エンドペプチダーゼとして働き、たんぱく質の内部のペプチド結合を切断する。特に、芳香族アミノ酸(フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン)を含むペプチド結合を選択的に分解する。これにより、たんぱく質がより小さなペプチドに分解され、小腸でさらに消化されやすくなる。 - 消化過程での役割
ペプシンは、食物が胃に入った後、消化の最初の段階を担う。胃酸(塩酸)とともに、食物のたんぱく質を分解して、アミノ酸や小さなペプチドを生成する。これらの生成物は、小腸に移行し、さらに消化されて吸収される。 - 最適なpH範囲
ペプシンは、酸性環境(pH 1.5〜3)で最も活性が高い酵素である。胃内の酸性度が低いと、ペプシンの活性が低下し、消化が効率的に行われない。
ペプシンの活性化
- ペプシノーゲンは胃内で塩酸によって活性化され、ペプシンとなる。また、ペプシン自体がさらに他のペプシノーゲン分子を活性化することもある(自己触媒作用)。
- ペプシンの活性は、胃内のpHが適切であるときに最も高い。逆に、胃酸の分泌が減少したり、pHが上昇したりすると、ペプシンの消化能力が低下する。
健康との関係
- 消化不良
ペプシンが適切に機能しない場合、食物の消化が不完全になり、消化不良や腹痛を引き起こすことがある。 - 胃酸過多と胃潰瘍
過剰な胃酸分泌やペプシンの活性が高すぎると、胃の粘膜が傷つき、胃潰瘍や逆流性食道炎を引き起こす可能性がある。 - ペプシン欠乏症
ペプシンが十分に分泌されない場合、たんぱく質の消化が不十分になり、栄養素の吸収が妨げられることがある。これにより、栄養失調や体重減少が生じることがある。




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