ヘルパーT細胞は、免疫系において中心的な役割を果たすリンパ球の一種である。これらの細胞は、他の免疫細胞を助ける機能を有しており、特に適応免疫応答を調整し、活性化する役割を担っている。
特徴
- CD4分子の発現
ヘルパーT細胞は細胞表面にCD4タンパク質を発現しており、「CD4陽性T細胞」とも呼ばれる。 - 抗原特異性
抗原提示細胞(APC)が提示する抗原ペプチドを、MHCクラスII分子を介して認識する。 - 分化能
刺激を受けることでさまざまなサブタイプ(Th1、Th2、Th17、Tfh、Tregなど)に分化し、それぞれ異なる免疫応答を誘導する。
機能
- 他の免疫細胞の活性化
- 抗体産生の促進
- B細胞の活性化を助け、抗体のクラススイッチ(異なる種類の抗体への変換)や高親和性抗体の産生を促す。
- 炎症の調整
- 炎症を促進または抑制する役割を果たし、感染や組織損傷に対する免疫応答を調節する。
- 免疫記憶の形成の補助
- メモリーT細胞やメモリーB細胞の形成を助け、将来的な感染に迅速に対応できる免疫系を構築する。
サブタイプと役割
ヘルパーT細胞は、環境シグナルや分泌されるサイトカインに応じて以下のように分化する:
- Th1細胞
- マクロファージを活性化して細胞性免疫を促進する。
- ウイルスや細胞内寄生菌への応答で重要。
- 主にIFN-γ(インターフェロンγ)を分泌。
- Th2細胞
- B細胞を活性化して抗体産生を促進する。
- 寄生虫感染やアレルギー応答で重要。
- IL-4、IL-5、IL-13を分泌。
- Th17細胞
- 好中球を動員して炎症を引き起こす。
- 細菌や真菌に対する防御で重要。
- IL-17を分泌。
ヘルパーT細胞の活性化
ヘルパーT細胞は、抗原提示細胞(APC)による抗原の提示によって活性化される。
- MHCクラスII分子の認識
抗原提示細胞(マクロファージ、樹状細胞、B細胞など)が提示するMHCクラスII分子上の抗原ペプチドをT細胞受容体(TCR)が認識。 - 共刺激分子のシグナル
APCとヘルパーT細胞の間で共刺激分子が相互作用し、完全な活性化が起こる。 - サイトカインの影響
活性化されたヘルパーT細胞は、サイトカインを分泌し、他の免疫細胞を指揮する。
関連疾患
- 自己免疫疾患
ヘルパーT細胞の過剰な活性化や制御異常が、関節リウマチや多発性硬化症などの自己免疫疾患の原因となる。 - アレルギー
Th2細胞の過剰応答がアレルギー反応を引き起こす。 - 免疫不全
ヘルパーT細胞が不足すると、感染症やがんに対する防御が低下する(例: ヒト免疫不全ウイルス[HIV]によるCD4陽性T細胞の減少)。




コメント