フルオレセインイソチオシアネート (FITC) は、蛍光色素であり、特に生物学的および医科学的研究において広く使用される化合物である。
1. 化学的特徴
- 化学式: C₂₁H₁₁NO₅S
- 構造: フルオレセイン(蛍光色素)の分子にイソチオシアネート基 (-N=C=S) が結合した構造を有する。
- 性質:
- 水溶性が高い。
- 紫外線や青色光を吸収し、緑色の蛍光(最大励起波長:495 nm、最大発光波長:519 nm)を発する。
2. 主な用途
FITCは、蛍光標識試薬として非常に重要であり、以下の用途が挙げられる。
(1) 生物学的試料の蛍光標識
- タンパク質や抗体の標識
イソチオシアネート基がアミノ酸やタンパク質中のアミノ基と反応し、共有結合を形成する。これにより、抗体や酵素などの生体分子を蛍光標識できる。 - 蛍光顕微鏡観察
FITCで標識された分子は蛍光顕微鏡で容易に観察できるため、細胞や組織内での特定分子の分布を解析するために用いられる。
(2) ELISA (酵素免疫測定法)
- FITC標識抗体を用いて特定の分子を検出する。
(3) DNAやRNAの標識
- FITCを用いることで、核酸の蛍光標識が可能となり、ハイブリダイゼーション解析などで利用される。




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