ビタミンB1(チアミン)は、水溶性ビタミンの一種で、主に炭水化物の代謝に関与し、体内でエネルギーを効率よく生成するために必要な栄養素である。また、神経系の機能を正常に保つ働きも有している。
1. 生理的役割
1.1 エネルギー代謝
- 補酵素としての役割
ビタミンB1は、補酵素チアミンピロリン酸(TPP)として作用し、以下の代謝反応を手助けする:- 解糖系(ピルビン酸からアセチルCoAへの変換)。
- クエン酸回路での代謝中間体の生成。
- ペントースリン酸経路での核酸合成と抗酸化物質(NADPH)の産生。
1.2 神経機能の維持
- ビタミンB1は、神経細胞でのエネルギー供給を支え、神経伝達物質の合成や神経伝達の円滑化に関与する。
1.3 心血管系のサポート
- 心筋の収縮や正常な血液循環を維持するために必要である。
2. ビタミンB1を多く含む食品
- 穀類:玄米、全粒粉パン、小麦胚芽。
- 豆類:大豆、レンズ豆。
- 種実類:ヒマワリの種、ナッツ類。
- 肉類:豚肉(特に多い)、レバー。
- 魚介類:マグロ、カツオ。
- 野菜:アスパラガス、ほうれん草。
3. ビタミンB1不足
原因
- 偏食やアルコール依存症。
- 白米や精白穀物などビタミンB1含有量の少ない食品中心の食事。
- 消化吸収障害。
症状
- 脚気(かっけ):
- 神経型:しびれ、筋力低下、末梢神経障害。
- 心臓型:心拍数増加、むくみ、心不全。
- ウェルニッケ脳症(重度の欠乏症):
- 記憶障害、意識障害、運動失調などが特徴。
- 特にアルコール依存症患者に多く見られる。
4. 臨床的利用
- 脚気や神経障害の治療:ビタミンB1欠乏症の改善にサプリメントや注射が用いられる。
- アルコール依存症患者へのサポート:ウェルニッケ・脳症の予防や治療に使用されます。





コメント