ヒドロキシアパタイトは、主に骨や歯の無機質成分として存在する、カルシウムとリン酸を主成分とする鉱物の一種である。ヒドロキシアパタイトは、骨の硬度と強度を提供し、体内のカルシウム貯蔵の重要な役割を担っている。
化学的特徴
- 化学式:Ca₁₀(PO₄)₆(OH)₂
- 構造:ヒドロキシアパタイトは、アパタイト型の結晶構造を持つ。これは、カルシウムイオン(Ca 2+)とリン酸イオン(PO₄3-)が結晶格子を形成し、その間に水酸化物イオン(OH-)が配置された構造である。
役割と機能
- 骨の構成成分
- 骨の約70%がヒドロキシアパタイトで構成されており、骨の硬さや強度を提供する。
- 骨形成の過程で、骨芽細胞が生成したオステオイド(有機基質)がヒドロキシアパタイトで鉱物化され、強固な骨を形成する。
- 歯の成分
- 歯のエナメル質の主成分もヒドロキシアパタイトであり、歯を硬く保ち、咀嚼に耐える能力を与える。
- 歯のエナメル質の約95%がヒドロキシアパタイトから成る。
- カルシウムの貯蔵庫
- ヒドロキシアパタイトは、カルシウムの貯蔵庫としても機能しており、血液中のカルシウム濃度が低下すると骨からカルシウムが放出され、逆に濃度が高くなるとカルシウムが骨に沈着する。
鉱物化過程
- 骨の形成
- 骨芽細胞がオステオイド(主にコラーゲン)を分泌し、これが最初の骨基質となる。
- その後、ヒドロキシアパタイトの結晶がこの有機基質に沈着し、骨が硬くなる。
- 石灰化
- ヒドロキシアパタイトの鉱物化は、カルシウムとリン酸イオンが結びつく過程で進行し、最終的に骨基質に沈着して骨を硬化させる。
生理学的な調節
- ヒドロキシアパタイトの形成と分解は、骨リモデリングの一部として、骨芽細胞と破骨細胞によって調節される。
- 骨吸収と骨形成のバランスが乱れると、骨密度が変化し、骨粗鬆症や骨折のリスクが増加する。




コメント