ドーパミンは、神経伝達物質の一つで、中枢神経系および末梢神経系で重要な役割を果たす。主にカテコールアミンという物質群に属し、快感や報酬系、運動制御、感情の調節などに深く関与している。ドーパミンの異常は、パーキンソン病や統合失調症、依存症などの疾患と関連している。
特徴
- 化学構造:
- ドーパミンは、アミノ酸のチロシンから合成される単純な分子で、カテコール基とアミン基を持つ構造をしている。
- 生成:
- ドーパミンは、チロシンが酵素チロシンヒドロキシラーゼによって変換されてできるL-ドーパから、芳香族L-アミノ酸デカルボキシラーゼによって合成される。
- 分解:
- ドーパミンは、モノアミンオキシダーゼ(MAO)やカテコール-O-メチルトランスフェラーゼ(COMT)によって分解される。
ドーパミンの主な機能
1. 報酬系(快感・動機付け)
- ドーパミンは、脳の報酬系(特に中脳辺縁系)で放出され、快感や満足感を生じさせる。
- 報酬行動や学習、依存症(薬物、ギャンブルなど)に深く関与している。
2. 運動制御
- 黒質線条体系でのドーパミンは、運動の調節や滑らかな動きに必要不可欠である。
- ドーパミンの不足は、パーキンソン病の特徴的な震えや運動障害を引き起こす。
3. 感情や認知
- 感情の調節、注意力、計画、判断などの認知機能に影響を与える。
- 統合失調症では、ドーパミンの過剰な活性が陽性症状(幻覚、妄想)と関連している。
4. ホルモンの調節
- 視床下部-下垂体経路で働き、プロラクチン(乳汁分泌を促進するホルモン)の分泌を抑制する。
ドーパミンと疾患の関係
- ドーパミンの不足:
- パーキンソン病:
- 黒質のドーパミン産生細胞が減少し、運動障害や筋固縮が生じる。
- うつ病:
- ドーパミンの減少が関与している可能性がある。
- パーキンソン病:
- ドーパミンの過剰:
- 統合失調症:
- 特にD2受容体の過剰活性が、幻覚や妄想などの症状と関連している。
- 依存症:
- ドーパミン報酬系の過剰活性化が原因とされている。
- 統合失調症:
医学的応用
- ドーパミン補充療法:
- パーキンソン病では、ドーパミンの前駆体であるL-ドーパ(レボドパ)が使用される。
- ドーパミン拮抗薬:
- 統合失調症や躁病の治療に使用される(例:抗精神病薬)。
- ドーパミン作動薬:
- パーキンソン病やドーパミン不足が原因の疾患に使用される。




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