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コレステロール(Cholesterol)

コレステロール(Cholesterol)は、動物細胞膜や血液中に存在する脂質の一種であり、ステロイド系脂質に分類される。コレステロールは細胞膜の構造的安定性や流動性の維持、ホルモンや胆汁酸の前駆体として、生命活動において重要な役割を果たしている。

コレステロールの構造

コレステロールの分子構造は以下の要素で構成されている:

  1. ステロイド核
    • 四環構造を持つ基本骨格。
  2. 脂肪族側鎖
    • ステロイド核の一端に結合した炭化水素鎖。
  3. ヒドロキシ基(−OH基)
    • ステロイド核の3位に結合し、わずかな親水性を与える。

この構造により、コレステロールは両親媒性分子となり、細胞膜の疎水性部分と親和性を持つ。

コレステロールの機能

  1. 細胞膜の構成成分
    • コレステロールは細胞膜に埋め込まれ、膜の柔軟性、流動性、透過性を調節する。
    • 特に、脂質ラフトと呼ばれる膜の特殊領域を形成し、シグナル伝達やタンパク質輸送に関与する。
  2. ステロイドホルモンの前駆体
    • コレステロールは、副腎皮質ホルモン(コルチゾール、アルドステロン)や性ホルモン(エストロゲン、テストステロン)の合成に必要である。
  3. 胆汁酸の前駆体
    • 肝臓で代謝されて胆汁酸が生成され、脂肪の消化と吸収を助ける。
  4. 細胞間シグナル伝達
    • 細胞膜内でのシグナル伝達の効率を高めるために、コレステロールは重要な役割を果たしている。

コレステロールの代謝と輸送

コレステロールは体内で合成されるほか、食事からも摂取される。以下はその主な代謝と輸送経路である:

1. 合成

  • 主に肝臓で行われ、アセチルCoAから合成される。
  • HMG-CoA還元酵素は、コレステロール合成の律速段階であり、スタチン系薬剤によって抑制される。

2. 輸送

コレステロールは、血液中でリポタンパク質と結合して輸送される:

  • LDL(低密度リポタンパク質)
    • コレステロールを肝臓から末梢組織へ運ぶ。「悪玉コレステロール」と呼ばれる。
  • HDL(高密度リポタンパク質)
    • 余剰コレステロールを末梢組織から肝臓に運ぶ。「善玉コレステロール」と呼ばれる。

3. 排泄

  • コレステロールは、胆汁酸に変換されて胆汁として腸管に分泌され、一部が再吸収されるが、残りは便中に排泄される。

コレステロールの健康への影響

適正なコレステロール値の重要性

  • 適切なコレステロール濃度(総コレステロール値やLDL/HDLバランス)は、健康維持にとって不可欠である。

高コレステロール血症(Hypercholesterolemia)

  • LDLコレステロールの増加は、動脈壁に蓄積してアテローム性動脈硬化を引き起こし、心血管疾患(心筋梗塞、脳卒中)のリスクを高める。

低コレステロール血症

  • コレステロールが不足すると、ホルモン合成や細胞膜機能に悪影響を及ぼす。

コレステロールを多く含む食品

コレステロールは動物性食品に多く含まれる:

  • 卵黄
  • 肉類(特に臓器:レバーなど)
  • 魚類
  • 乳製品

コレステロール調節のための対策

  1. 食事の改善
    • 飽和脂肪酸やトランス脂肪酸を減らし、不飽和脂肪酸(魚やナッツに多い)を増やす。
    • 食物繊維を多く摂取することで、腸内でのコレステロール吸収を抑制する。
  2. 運動
    • 有酸素運動によりHDLコレステロールを増加させ、LDLコレステロールを低下させる。
  3. 薬物療法
    • スタチンはHMG-CoA還元酵素を抑制し、コレステロール合成を減少させる。
    • エゼチミブは腸管でのコレステロール吸収を抑制する。

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