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アポトーシス・ネクローシス

こんにちは。今回は、「細胞の死」について学んでいきましょう。

「死」と聞くとネガティブな印象を受けるかもしれませんが、実は細胞が死ぬことにも意味のある死と、無秩序な死の2つがあるんです。

この2つの細胞死を、それぞれアポトーシス(apoptosis)とネクローシス(necrosis)といいます。

🔍ネクローシスとは?(=受動的で破壊的な死)

ネクローシスは、外部からの強い物理的ダメージ(例:火傷、打撲、放射線など)によって起こる、受動的で非計画的な細胞死です。

この過程では、細胞膜が破れて中の物質が漏れ出し、炎症反応を引き起こします
周囲の細胞や組織にも悪影響を与えることがあるため、「壊死」とも訳されます。

特徴を一言でまとめると、壊れて、漏れて、炎症を起こすです。

💡アポトーシスとは?(=計画された積極的な細胞死)

一方、アポトーシスは、細胞が自らの意思で死を選ぶような、プログラムされた細胞死です。
発生段階での組織形成や、古くなった細胞の入れ替え、免疫細胞の除去など、体の正常な維持のために行われる積極的な死ともいえます。

アポトーシスが起こるとき、細胞は構造を保ったまま小さく縮まり、内部の不要な成分を分解してまとめるように処理します。その後、マクロファージに貪食され、炎症も起こりません

つまり、静かに片付く、迷惑をかけない死がアポトーシスです。

🔬ネクローシスとアポトーシスの比較まとめ

項目 ネクローシス アポトーシス
原因 火傷・外傷・放射線など物理的損傷 DNA損傷・老化・免疫攻撃・感染など
膜構造 破壊される 保持される
内容物 細胞成分が漏れ出す 小胞化されてまとめられる
炎症反応 あり(炎症を誘発) なし(静かに除去)
処理 自然崩壊、炎症で排除 マクロファージが貪食・分解
生理的意義 基本的になし 組織の再構築・異常細胞の排除など

🧪アポトーシスのシグナル伝達経路

では、「どうやってアポトーシスが始まるのか?」をもう少し深掘りしてみましょう。

きっかけはさまざまです。たとえば、

  • FasリガンドやTNFといった分子が細胞表面の受容体に結合したとき

  • DNAが損傷したとき

  • 細胞周期に異常があったとき

こうした合図を受けると、細胞内で「カスパーゼ(caspase)」と呼ばれる酵素群が活性化されます。

🔁カスパーゼのカスケード(連鎖反応)

  1. FasやTNF受容体の刺激カスパーゼ8前駆体が活性化

  2. 活性型カスパーゼ8が、ミトコンドリアからシトクロムcを放出

  3. それによってカスパーゼ9が活性化され、最終的にカスパーゼ3・7が活性化細胞内構造が断片化され、アポトーシス実行

このように、外部刺激→ミトコンドリア→カスパーゼ連鎖→断片化・貪食という一連の流れが、細胞の“静かな退場”を演出しているのです。

✅アポトーシスの意義と例

アポトーシスは、単に死ぬだけではありません。決まった時期・場所で、意味をもって行われる死です。

例としては、

  • 胎児の発生過程での不要な細胞の除去(指の分離など)

  • 免疫細胞の過剰な応答を防ぐ調節

  • 古くなった腸管上皮細胞の更新

  • ウイルス感染細胞やがん細胞の除去

このように、アポトーシスは「生きるための死」ともいえるプロセスであり、細胞レベルの“自己制御”の極みなのです。

🎓まとめ

  • ネクローシス=外から壊される、炎症を起こす破壊的な死

  • アポトーシス=中から静かに解体される、秩序あるプログラム死

  • アポトーシスでは、カスパーゼが中心となって構造解体が進行

  • 炎症が起きない、抗炎症因子が出るなど、周囲への影響が少ない

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