γ-アミノ酪酸(GABA, Gamma-Aminobutyric Acid)は、脳や脊髄で働く主要な抑制性神経伝達物質である。興奮性の神経伝達を抑制する役割を持ち、神経活動を適切に調整することで、脳の興奮を抑えたり、リラックス効果をもたらしたりする。
構造と生成
- 構造:
- GABAは、化学式が C4H9NO2 の単純なアミノ酸で、グルタミン酸(興奮性神経伝達物質)から生成される。
- 生成経路:
- グルタミン酸がグルタミン酸デカルボキシラーゼ(GAD)という酵素によって脱炭酸されることで生成される。
- この反応は、主に中枢神経系で行われる。
機能と役割
- 抑制性神経伝達物質:
- GABAは、シナプス後膜にあるGABA受容体に結合することで神経伝達を抑制する。
- 過剰な神経活動を抑制することで、興奮やストレスを和らげ、精神を安定させる。
- 主要な役割:
- 興奮の抑制:過剰な神経活動を抑える。
- リラクゼーション:不安や緊張を軽減し、リラックス効果をもたらす。
- 睡眠の促進:深い睡眠を促す作用がある。
- 筋弛緩作用:筋肉の緊張を緩和する。
- けいれん抑制:てんかん発作の抑制に関与。
GABA受容体の種類
- GABA A受容体:
- リガンド依存性のCl-チャネル。
- GABAが結合するとCl-が細胞内に流入し、細胞膜の過分極を引き起こして神経の興奮を抑える。
- GABAB受容体:
- Gタンパク質共役受容体。
- カリウムイオン(K+)チャネルを開くことで、過分極を引き起こして抑制性の効果をもたらす。
GABAの不足や過剰の影響
- GABA不足:
- 不安感やストレス、不眠、うつ病などが起こる可能性がある。
- GABAの低下はてんかんや神経過敏症のリスクを高める。
- GABA過剰:
- 極端なGABAの増加は、逆に過度の抑制を引き起こし、意識低下や運動機能の低下を招く可能性がある。
医療および日常生活での利用
- 医療用途:
- てんかんや不安障害の治療薬として、GABAの作用を調節する薬(例:ベンゾジアゼピン系薬剤)が利用される。
- バクロフェンなどの薬剤はGABAB受容体のアゴニストとして働き、筋弛緩に使用される。




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