β+壊変は、放射性崩壊の一種であり、原子核内の陽子が中性子に変換される過程で発生する。このとき、陽電子(β+粒子)と電子ニュートリノが放出される。
1. β⁺壊変の反応式
陽子→中性子+陽電子+電子ニュートリノ
2. β+壊変の仕組み
- 陽子の変換: 陽子が中性子に変わる際に、陽電子(反電子)とニュートリノが放出される。
- エネルギー条件:
- 核内での質量差(エネルギー差)が1.022 MeV以上である場合にのみ、β+壊変が起こる。
- この閾値エネルギーは、陽電子と電子ニュートリノの生成に必要なエネルギーに対応する。
3. 具体例
18Fは医療用イメージング(PETスキャン)に利用される放射性同位体であり、β+壊変を起こして酸素18に変わる。
4. 放出される粒子
- 陽電子 (e+):
- 陽電子は電子の反粒子であり、正の電荷を持つ。
- 陽電子は物質中の電子と衝突すると消滅し、2つの511 keVのガンマ線が発生する。
- 電子ニュートリノ
- 電荷を持たず、非常に軽い粒子。検出は非常に困難である。
5. β+壊変の特徴
- エネルギー分布: 放出される陽電子とニュートリノは、崩壊時のエネルギーを分け合うため、陽電子のエネルギーは連続スペクトルを持つ。
- エネルギー閾値: β+壊変を起こすためには、母核の質量エネルギーが娘核よりも少なくとも1.022 MeV大きくなければならない(陽電子生成に必要なエネルギー)。
6. β+壊変の応用
医療分野
- PETスキャン(Positron Emission Tomography):
- 放射性同位体
18Fが体内でβ+壊変を起こし、陽電子が電子と消滅してガンマ線を放出する。このガンマ線を検出して画像を生成する。
- 放射性同位体
7. β+壊変と電子捕獲
- 電子捕獲 (Electron Capture):
- 陽子が軌道電子を捕獲して中性子に変わる過程は、β+壊変と競合する反応である。
- 原子核のエネルギー状態や電子密度に依存して、どちらの反応が優勢になるかが決まる。




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