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IgE

IgE(免疫グロブリンE)は、免疫系の抗体(免疫グロブリン)の一種で、アレルギー反応寄生虫感染において中心的な役割を果たす。IgEは他の抗体と比較して血中濃度が非常に低いですが、特定の免疫応答において強い効果を発揮する。

IgEの特徴

  1. 分子構造
    • IgEは単量体(1つの抗体分子)構造を持ち、2つの抗原結合部位を有している。
    • Fc領域が肥満細胞好塩基球の表面に結合する。
  2. 分布
    • 血清中ではごく微量ですが、肥満細胞や好塩基球に結合して組織中に存在する。
  3. 産生
    • IgEは、ヘルパーT細胞(Th2)から分泌されるサイトカイン(特にIL-4やIL-13)の刺激を受けたB細胞によって産生される。

IgEの機能

  1. アレルギー反応の媒介
    • IgEはアレルギー反応(即時型過敏反応)を引き起こす主な因子である。
    • アレルゲン(花粉、ダニ、食物アレルギーなど)に反応して肥満細胞や好塩基球が活性化され、以下の物質を放出する。
      • ヒスタミン:血管拡張、浮腫、かゆみを引き起こす。
      • ロイコトリエンやプロスタグランジン:炎症や気道収縮に関与する。
    • 上記の反応が気管支喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎などの症状を引き起こす要因となる。
  2. 寄生虫感染の防御
    • IgEは、特に**寄生虫(例:回虫や条虫)**に対する免疫応答で重要。
  3. 免疫系の調節
    • IgEはアレルギー反応だけでなく、特定の免疫応答を調節する役割も有するが、その詳細はまだ完全には解明されていない。

臨床的意義

  1. アレルギー診断
    • 血中の特異的IgE濃度(特定のアレルゲンに対するIgE)を測定することで、アレルギーの診断や原因特定に使用される。
      • 例:花粉症、食物アレルギー、動物アレルギー。
  2. アレルギー治療
    • IgEの作用を阻害することで、アレルギー症状を軽減する治療法がある。
      • 抗IgE抗体(オマリズマブ): 気管支喘息や慢性蕁麻疹などの治療に用いられる。
  3. 寄生虫感染症の評価
    • IgEの上昇は寄生虫感染の可能性を示唆します。

IgEと他の抗体の比較

特徴 IgE IgG
分布 主に肥満細胞や好塩基球に結合 血清、組織液、胎盤通過
濃度 血清中では非常に低い 血清中で最も高い
主な機能 アレルギー反応、寄生虫感染防御 長期免疫、中和、補体活性化
関与する疾患 アレルギー疾患、寄生虫感染 感染症、免疫不全症

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